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「お醤油を全員に気付かれるくらいの量」第8回料理レシピ本大賞「カレンの台所」の斬新さ

カレンの台所

 第8回「料理レシピ本大賞in Japan」の発表会が9月7日に行われ、滝沢カレンさんの『カレンの台所』(サンクチュアリ出版)が料理部門の大賞を受賞した。

写真は大賞を受賞した『カレンの台所』(サンクチュアリ出版)
写真は大賞を受賞した『カレンの台所』(サンクチュアリ出版)

 「料理レシピ本大賞 in Japan」は、「料理レシピ本の書籍としての指標を示し、また魅力をアピールし、その価値を広く浸透させること」を目的として、2014年に創設された賞。過去には、料理研究家のリュウジさんなどが同大賞を受賞している。

 第8回大賞を受賞した『カレンの台所』は、モデルの滝沢カレンさんが昨年4月に刊行したレシピ本。「お醤油を全員に気付かれるくらいの量」「お砂糖を笑わない量ギリギリ入れる」などといったレシピ本らしからぬアバウトで独特な表現が、「言葉のセンスが最高すぎる」と話題を呼び、発売から約3か月で15万部を突破するほどのヒットになった。

 たとえば、「鶏の唐揚げ」の味付けは、こんな感じだ。

やれやれとボッタリくつろぐ鶏肉に、上からいくつかかけ流していきます。
まずリーダーとして先に流れるのは、お醤油を全員に気づかれるくらいの量、お酒も同じく全員気づく量、乾燥しきった粒に見える鶏ガラスープの素を、こんな量で味するか? との程度にふります。
入れすぎても入れなさすぎても、あまり変わるわけではないので気にしすぎもよくないです。

 食材目線の文章で、料理の専門用語や分量は一切出てこないのに、作った人からは、「分量が書いていないのになぜかわかりやすい」「文章が印象的なので、一度作ったら忘れない」と絶大な評価を受けている。

 かわいらしいイラストも、滝沢さんの世界観を見事に表現している。母親から「我が家の味」を伝授してもらっているような、アバウトだけれど絶対おいしいと確信できるレシピ本だ。

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大人気『syunkonカフェごはん』シリーズも

 そのほか、『りなてぃの一週間3500円献立』(宝島社)が準大賞を獲得したほか、『syunkonカフェごはん7』(宝島社)『野菜はスープとみそ汁でとればいい』(新星出版社)『自炊。何にしようか』(朝日新聞出版)などが入賞した。

 以下は料理部門の受賞作の一覧。

■大賞 『カレンの台所』 滝沢カレン 著/サンクチュアリ出版 刊

写真は『カレンの台所』(サンクチュアリ出版)


■準大賞 『りなてぃの一週間3500円献立』 りなてぃ 著/宝島社 刊

写真は『りなてぃの一週間3500円献立』(宝島社)


■入賞/プロの選んだレシピ賞 『基本調味料で作る体にいいスープ』 齋藤菜々子 著/主婦と生活社 刊

写真は『基本調味料で作る体にいいスープ』(主婦と生活社)


■入賞 『syunkonカフェごはん7 この材料とこの手間で「うそやん」というほどおいしいレシピ』 山本ゆり 著/宝島社 刊

写真は『syunkonカフェごはん7 この材料とこの手間で「うそやん」というほどおいしいレシピ』(宝島社)


■入賞 『野菜はスープとみそ汁でとればいい』 倉橋利江 著/新星出版社 刊

写真は『野菜はスープとみそ汁でとればいい』(新星出版社)


■入賞 『自炊。何にしようか』 高山なおみ 著/朝日新聞出版 刊

写真は『自炊。何にしようか』(朝日新聞出版)


※画像提供:料理レシピ本大賞実行委員会
BOOKウォッチ編集部

 
  • 書名 カレンの台所
  • 監修・編集・著者名滝沢カレン 著
  • 出版社名サンクチュアリ出版
  • 出版年月日2020年4月 7日
  • 定価1,400円+税
  • 判型・ページ数A5判・144ページ
  • ISBN9784801400757

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