第12回ポプラ社小説新人賞を受賞した石井仁蔵さんの『エヴァーグリーン・ゲーム』が、2023年11月1日に発売された。それぞれ背負うものがある4人の若者たちが「チェス」に出会い、その魅力に取り憑かれ、チェスを通して自らの人生と戦っていく物語だ。
1105作の応募作の中から、満場一致で選ばれたという本作。発売に先立ち、俳優の泉澤祐希さんと岩男海史さんが出演するショートフィルムも公開されるなど、期待の高さをうかがわせる。
【STORY】
世界有数の頭脳スポーツ・チェスと出会い、その面白さに魅入られた4人の若者たち。
難病で入院生活を送る透、実力がありながらも将来に悩む晴紀、全盲の少女・冴理、少年院で過ごす釣崎――
8×8マスの盤上で、命を懸けた闘いが繰り広げられる。
「勝つために治せよ、絶対に」
難病で入院生活を送る小学生の透は、小児病棟でチェスに没頭する輝と出会う――。
「年齢より才能より、大事なものがある。もうわかってるだろ?」
チェス部の実力者である高校生の晴紀だが、将来プロを目指すか悩んでいる......。
「人生を賭けて、ママに復讐してやろう。」
全盲の少女・冴理は、保健室の先生に偶然すすめられたチェスにハマる。
「俺はただ、チェスを指すこの一瞬のために、生きている。」
天涯孤独の釣崎は、少年院を出たのち単身アメリカへわたる。マフィアのドンとチェスの勝負をすることになり......!?
そして、彼らは己の全てをかけて、チェスプレイヤー日本一を決めるチェスワン・グランプリに挑むことに――。
講評には、「キャラクターの人物造詣が魅力的で、チェスと登場人物たちの人生を巧みに折り合わせながら、スケール感のあるエンターテインメント小説として見事に描き切っている点が高く評価され、新人賞の受賞となりました」とある。
ひと足早く読了した書店員は、「ラストの爽快感がたまりませんでした」「チェスの魅力を描き切った著者に、大きな拍手を贈りたい」「全ての人にお届けしたい!」など、惜しみない賞賛を送っている。中には「本当に新人賞ですか?!」という声も。
すい星のごとく現れた若き新人像を勝手にイメージしていたが、著者の石井さんは自らを「『初めて書いた小説で受賞してデビュー』というような、スマートな方とは程遠く、光の見えない沼を這いずり回ってきた人間です」と表現している。自身、約20年も小説の投稿に明け暮れたからこそ、「何かに取り憑かれたやつらを肯定したい」と言う。
小説家や書評家からも好評だ。「こんな物語と出会うために、自分は小説を読み続けるのだと思います。」(綾崎隼さん・小説家)、「完全に心を掴まれました。完敗です」(南沢奈央さん・俳優)、「コロナ禍を経た令和のエンターテインメント小説の、ベンチマークと呼ばれることになるかもしれない、傑作だ」(吉田大助さん・書評家・ライター)といったコメントが寄せられている。
そこまで言われると、読まずにはいられない。難病を抱えた透が入院している病院でチェスと出会うシーンから始まる第1章から、早くも涙が......。読書の秋、最高のエンターテインメントを堪能したい。
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