「この世に、この時代に、この私たちの間に生まれてきた赤ちゃんの闘い続ける姿を記録に残してあげたい」
よしもと芸人で漫才コンビ「ケツカッチン」の高山トモヒロさんは、2018年の夏ごろに知人からそう託された。"闘い続ける赤ちゃん"とは、325グラムで生まれた女の子、奈乃羽(なのは)ちゃんだ。
高山さんが、奈乃羽ちゃんの成長を追い、家族の気持ちに真摯に寄り添いながら日々を記録した実話ルポ『手のひらの赤ちゃん -超低出生体重児・奈乃羽ちゃんのNICU成長記録-』(発行:ヨシモトブックス 発売:ワニブックス)が2020年1月27日に発売された。
本書は、妊娠が判明した時の両親の喜びから、妊娠22週目での出産、奈乃羽ちゃんが誕生したあとすぐに始まったNICU(新生児集中治療室)での治療の様子などが書かれているのだが、なかなか知ることができないNICUの担当看護師や医師との細かなやりとりまでも記されている。
また、同時期にNICU で治療を受けていた585グラムと550グラムで生まれた双子の姉弟と、小脳が通常の3分の1ほどで自発呼吸が難しい男の子との2家族も登場する。それぞれ異なる状況の中、どう声をかけたらいいか分からないつらい場面も、母親の手記を交えながらリアルに伝えた。いずれも不安な日々の中で流した涙と、いくつもの苦難を乗り越えながら強くなっていく家族の真の愛の物語だ。
高山さんに発売に際しての心境を聞いた。
「普段知られることのない、NICUで日々闘っている赤ちゃんとそれを支える家族の絆の強さ、そして奮闘するお医者さんと看護師さんたちのすごさを感じていただけたら嬉しいです。1冊を一家で回し読みしていただいて、家族や命について語り合うきっかけになれば最高です」
高山さんは、1968年大阪市生まれ。3人の娘を持つ父親でもある。NSC第7期生で、NSCでは、故・河本栄得さんと漫才コンビ「河本・高山」を結成し、卒業後に「ベイブルース」と改名。94年10月、河本さん永眠にともない活動休止。2001年11月に和泉修さんと漫才コンビ「ケツカッチン」を結成した。
2009年、河本さんの死から15年で初めて綴った小説『ベイブルース25歳と364日』(ヨシモトブックス、のちに幻冬舎よしもと文庫)が反響をよび、11年には舞台化、14年には映画化もされている。他の著書に、ある日突然家を出た母親との思い出を書いた『通天閣さん僕とママの、47年』(ヨシモトブックス)がある。
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