earth music&ecology「あした、なに着て生きていく?」、日本ペットフード「死ぬのが恐いから飼わないなんて、言わないで欲しい。」など数々の名作コピーを生み出してきた児島令子さん。そんな彼女の作品集、『私、誰の人生もうらやましくないわ。ー児島令子コピー集めー』(パイインターナショナル)が12月23日に刊行される。
言葉で広告の新しい可能性を切り開いてきた児島さんの世界観が、デザイナー・佐々木俊さんによって彩られた1冊。
代表的なものをいくつか紹介しよう。
あした、なに着ていく?(ストライプインターナショナル earth music & ecology 2010年)
おなじみearth music&ecologyのコピーだ。笑うにしても泣くにしても、好きな服を着ていたい。ファッションが好きな人にとって、着ることと生きることはつながっている。そんな思いが共感を呼ぶ。
私、誰の人生もうらやましくないわ。(パナソニック シングルステージ 2000年)
自由でいたい、同情は求めない、かっこよく、ユーモアを持って生きていきたい。そんなシングル女性の気持ちが、「私、誰の人生もうらやましくないわ」という短いコピーに詰め込まれている。
ことばの力をさらに印象づけるのは、ブックデザイナー佐々木俊さんによるグラフィカルな文字の演出だ。
バクハツしなくても、芸術でございます。(尼崎市総合文化センター 1995年)
愛と革新。(LINEモバイル/ソフトバンク 2017年)
また本書には、児島さんが、ことばを仕事にすることについて自ら語るコラムも掲載されている。
目次は以下の通り。
コラム① 何かになりたかった。何に?
コラム② 私、誰の人生もうらやましくないわ。について。
コラム③ コピーがなくなると思った日。
コラム④ 「何を寝言を書いているんだ」
コラム⑤ 毎日楽しくコピーを書くために。
コラム⑥ 女の子向けより、人間向け。
コラム⑦ コピーとして生まれたことばの行き先は?
コラム⑧ 私はことばを信じてるのかな。
詩や小説ではなくコピーをじっくり味わう機会は、なかなかないのではないだろうか。コピーライティングに興味がある人はもちろん、そうでない方も新たな魅力に気づくに違いない。短いことばで人々の心をグイッとつかむコピーの世界の奥深さに触れてみよう。
プロフィール
■著者:児島令子さん
こじま・れいこ/コピーライター。大阪府生まれ。京都女子大学卒業。拠点は大阪の児島令子事務所。東京の仕事多数。earth music&ecology「あした、なに着て生きていく?」、日本ペットフード「死ぬのが恐いから飼わないなんて、言わないで欲しい。」、LINEモバイル「愛と革新。」、サントリー「ウイスキー飲もう気分。」、JR東日本「大人は、とっても長いから。」、ANA「別ヨ」、サンスター「口は、生きるの1丁目。」、パナソニック「私、誰の人生もうらやましくないわ。」など。TCC最高賞、朝日広告賞(グランプリ)、ACCグランプリ、日経広告賞、佐治敬三賞ほか受賞多数。
■ブックデザイン:佐々木俊さん
ささき・しゅん/グラフィックデザイナー。2010年多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。2016年AYONDを設立。2020年JAGDA新人賞受賞。これまでに、詩人・最果タヒの『夜空はいつでも最高密度の青色だ』等の著書や詩の展示構成、「デザインの(居)場所」(東京国立近代美術館)宣伝美術、「NHK紅白歌合戦」番組ロゴのデザインなどを担当。『くるまのえほん ぶるばびぶーん』(福音館書店)が発売中。
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