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すべて実話。5年間本気だった「不倫」は「復讐」へ

さよならジュード

 「本気であなたを愛してた。だから絶対に許さない」――。

 SAKURAさんの著書『さよならジュード』(幻冬舎)は、シングルマザーの私と、妻子あるイギリス人の「国際不倫1923日の顛末」を日記形式で綴った1冊。本作にあることはすべて、著者の実体験という。

 ジュードは不倫相手の名前。彼はNYの一流Law firmに所属する国際弁護士。イケメンで優しくて波長が合う。おまけにベッドも最高。「愛しているのは君だけだから」「奥さんには愛情はない。別れて君と一生一緒にいる」という彼の言葉を信じていた。

 しかし約1年後、妻の妊娠が発覚。さらに、遠距離恋愛に。そのとき私は、彼の子どもを身ごもることを決意した。

だったら私も彼の子どもを

 本書は「第1章 はじまり」「第2章 試練」「第3章 決意と悲劇」「第4章 終わりと始まり」の構成。

 私とジュードは、子ども同士の交流を通じて知り合った。彼と妻の間には3人の子どもがいた。しかし、妻は浮気を繰り返していて、彼もそれを知っていた。

 彼からメールが届いたこと、私も彼に好意を抱いていたことから、2人の交際ははじまる。

 子どもたちが離婚を理解できる年頃になったら、奥さんとは離婚して君と一生一緒にいる......などと彼は言っていたが、妻が4人目を妊娠中であること、さらに5人目を計画中であることが発覚。

 だったら私も彼の子どもを妊娠しようと決意し、やがて私は妊娠した。そのとき彼が放った一言、彼がとった驚きの行動とは。

愛憎紙一重とはまさにこの事

 SAKURAさんはインスタグラムで「イギリス人国際弁護士との5年間の不倫恋愛 ドラマのような実話」として、ありのままを綴っている。

 「恋愛編」「裏切り編」「お別れするまで・・」「お別れ編」「復縁に向けて編」「別れの道のり」「本当に終わり」「復讐まで」「さよならジュード」と、モードが徐々に変わっていく様が恐ろしくもある。

 「これくらい、1人の男にのめりこんで、お互いにこんなに愛した人はいないと誓ったのに、裏切られ、いつからか復讐を考えていた自分がいたという愛憎紙一重とはまさにこの事なんだろうと思った」

 そこでSAKURAさんは、「この経験を本にしよう」「全てを書いてもう封印しよう」と考えた。

 「私みたいな経験をした人たちがどれくらいいるか分からないけど、きっと不倫や恋愛で辛い思いをしている人達がいると思うんだよね。だからここにこんな経験した人がここにいるんだよって書きたい」

 ただ、有名人でもなく、文章を書いたこともない。自分の経験を本にしたところで読んでくれる人はいるのかと、不安だったという。

 すると出版社から、不倫された側の本やインスタはたくさんあっても、愛人側のものは少ないからいいのではないかと言われ、SAKURAさんは書籍化を決めた。

 「5年前を振り返りながら、全てを文字にして、もう忘れよう。"書いて忘れる"というのが、私の固い意志だった」

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 不倫が報道されるたびに大炎上するいま、不倫の当事者が実体験をあけっぴろげにすることは、生半可な気持ちでは到底できない。不倫の是非はさておき、書きたい、書かなければと突き動かされるほど、SAKURAさんが体験した恋愛が「本気」だったということだろう。

 もし人に言えない恋愛に苦しんでいるなら、自分にはできないからこそ不倫を疑似体験したいなら、本書は刺さるにちがいない。


■SAKURAさんプロフィール

 東京生まれ。学生時代をNYで過ごす。帰国後就職、結婚し、一児を出産するがその後離婚。シングルマザーとなり数年後、約5年間の不倫を経験。今に至る。


※画像提供:幻冬舎


  • 書名 さよならジュード
  • 監修・編集・著者名SAKURA 著
  • 出版社名幻冬舎
  • 出版年月日2021年9月10日
  • 定価1,430円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・208ページ
  • ISBN9784344935785

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