コロナ禍をきっかけに、働き方や価値観の変革期が訪れた。新しい生活様式が浸透し、お金の使い方が変わったという人も多いのではないだろうか。
政治・経済ジャーナリストの清水克彦さんは、著書『すごい!家計の自衛策』(小学館)の中で、「ウィズコロナ時代は高収入を目指すより、そこそこの年収で豊かに暮らす」ことを提唱している。
たとえば、こんな悩みはないだろうか。
・頑張って収入を増やすより、支出を見直し無駄を省いて生活を維持したい
・この先収入が減り、老前破綻するのかと不安になる
・子どもが中学生。希望をかなえてやりたいがなんとか教育費は抑えたい
・年収は多いほうなのに、このきつさは一体何?と思うことがある
・そろそろ年金をいつからどのくらいもらい始めるか考える時期だ
年収は「中の上」だが生活は決して楽ではない。それなりに稼いでいるはずなのに、ちょっとした贅沢もできないなんて、どうも腑に落ちない......。本書は、そんな働き盛りの「モヤモヤ」に、一つの解決策を示している。
アメリカ・プリンストン大学の心理学者で、ノーベル経済学賞受賞者のダニエル・カーネマン教授の学説によると、「年収約800万円で幸福度はほぼ頭打ちになる」ため、「高年収になっても満足度はそれほど上昇しなくなる」そうだ。それならば、「そこそこ」の年収をキープしつつ、生活自体の質を向上し、豊かな暮らしをめざす方が幸せではないだろうか。年収を上げるための競争、ストレス、時間の制約から解放されよう、と著者の清水克彦さんは呼びかける。
清水さんは、早稲田大学大学院公共経営研究科修了。現在は京都大学大学院法学研究科に在学し、今も研究を続けている「調査オタク」。記者、キャスター、報道番組のチーフプロデューサーとして多くの経済専門家と接した経験と自らの調査結果から、「今の年収でも、これまでの生活を見直し、自衛策を講じるほうが幸せになれる」と主張する。
「政府からは「自助」を求められ、加えて制度面でも何の恩恵も受けられないのであれば、1000万円プレーヤーを目指して必死で働くだけでなく、そこそこの年収であっても、これまでの生活を少しだけ見直し、自衛策を講じるほうが幸福度や生活満足度が増す、ということをカーネマン教授の学説は教えてくれている気がします。
とりわけ、現在は、得体が知れないウイルスによってパラダイムシフト(考え方や価値観の劇的変化)が求められる時代です。「守り」を余儀なくされている今は、こうした生き方のほうが理にかなっていると言えるかもしれません。
こうした中、私は、年収1000万円を得ている皆さん、あるいはそれを目指して働いている人、さらに、今の収入で不透明な時代を乗り切ろうとされている方に向けて本書を書き下ろしました。」 (本書「はじめに」より)
本書の目次は下記の通り。
〈目次〉
はじめに
第一章 年収一〇〇〇万円世帯が陥る罠
第二章 働き盛り世代を襲う危機
第三章 「教育」と「住宅」に警戒
第四章 「保険」と「投資」の罠
第五章 「介護」と「医療」の留意点
第六章 安倍&トランプ後遺症下の自己防衛策
おわりに
今は「攻め」より「守り」の時期。ひたすらに高収入を目指し、身を粉にして働くより、今の収入で時代を乗り越える力をつけるのも一手だろう。本当の「勝ち組」とは、年収や地位に関係なく、自分にとっての幸せを知っている人のことを言うのかもしれない。考え方を見直すきっかけをくれる一冊。
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