太宰治の孫、石原燃さんの「赤い砂を蹴る」が芥川賞候補となり、話題になっている。選考会を前に単行本が7月13日(2020年)発売された。
石原さんは1972年生まれの劇作家。社会派作品で評価が高く、劇団ユニットを主宰する。本作が小説デビュー作である。
太宰治の次女で、やはり作家になった故津島佑子さんが母である。芥川賞が欲しくてたまらなかったが賞には縁がなかった太宰。一方、川端康成文学賞、大佛次郎賞など、そうそうたる受賞歴を誇りながら芥川賞を受賞していない津島佑子さん。「3代目で悲願が成るか?」と文壇関係者の関心は高い。
それはさておき、本作は娘が亡き母を想うというストーリーが、どことなく石原さんと津島さんの関係を連想させる。
主人公の<私>こと千夏が語り手となり、ブラジル・サンパウロ州を訪ねる。画家だった母は2年前に末期がんと診断され、ほどなく亡くなってしまった。母にはサンパウロ生まれの芽衣子さんという親友がいて、彼女とともにブラジルを訪れるのが母の願いだった。
日本に帰国する用事があった芽衣子さんに誘われて<私>もブラジルに同行する。ブラジルの大地を舞う赤い砂。芽衣子さんを通して、母が世界をどう見ていたかを知ることになる。
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