2023年12月14日、公益財団法人日本文学振興会より、第170回芥川龍之介賞、直木三十五賞の候補作が発表された。
直木賞には、10月に刊行された加藤シゲアキさんの『なれのはて』(講談社)がノミネートされ、話題になっている。加藤さんの作品が候補に選ばれたのは、『オルタネート』に続く2回目だ。
<あらすじ>
テレビ局員の守谷京斗は不本意ながら異動したイベント事業部で、不思議な古い絵に出会う。同僚の吾妻李久美とともにその絵を使った「たった一枚の展覧会」を実施しようと試みるものの、許可を得ようにも作者も来歴もわからない。裏に書かれた「イサム・イノマタ」という署名を手がかりに絵の正体を調べていくと、秋田のある一族の秘密にたどり着く。そして1945年8月15日未明に起きた「最後の空襲」の土崎空襲。現代まで続く戦争の傷跡を紐解きながら、一枚の絵と人間の宿命を描くミステリ。
加藤さんは1987年生まれ、大阪府出身。青山学院大学法学部卒業。2012年1月『ピンクとグレー』で作家デビュー。2021年『オルタネート』で第42回吉川英治文学新人賞、第8回高校生直木賞を受賞。「NEWS」のメンバーとして活躍しながら作家としても精力的な活動を続けており、評価を高めている。
『なれのはて』刊行の際に、「自著のなかで最も壮大なテーマに挑んだエンタメ作品であり、また問題作でもある」と語っていた加藤さん。今回は受賞なるか、期待が高まる。
第170回直木賞の候補者および候補作は、以下の通り。
加藤シゲアキ(かとう しげあき)『なれのはて』(講談社)
河﨑秋子(かわさき あきこ)『ともぐい』(新潮社)
嶋津輝(しまづ てる)『襷がけの二人』(文藝春秋)
万城目学(まきめ まなぶ)『八月の御所グラウンド』(文藝春秋)
宮内悠介(みやうち ゆうすけ)『ラウリ・クースクを探して』(朝日新聞出版)
村木嵐(むらき らん)『まいまいつぶろ』(幻冬舎)
芥川賞では、川野芽生さんをのぞく5名中4名が2回目のノミネートとなった。候補者と候補作は以下の通り。
安堂ホセ(あんどう ほせ)『迷彩色の男』(文藝 秋季号)
川野芽生(かわの めぐみ)『Blue』(すばる 8月号)
九段理江(くだん りえ)『東京都同情塔』(新潮 12月号)
小砂川チト(こさがわ ちと)『猿の戴冠式』(群像 12月号)
三木三奈(みき みな)『アイスネルワイゼン』(文學界 10月号)
選考会は、2024年1月17日(水)午後4時より、築地・新喜楽で行われる予定。
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