7月15日に選考会が行われる芥川賞。候補作を簡単に紹介しよう。初回は7月6日に単行本が出た遠野遥さんの「破局」だ。
遠野さんは1991年神奈川県生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。2019年『改良』で第56回文藝賞を受賞。本作は受賞第一作になる。
主人公の陽介は大学4年生。高校のラグビー部の指導と筋トレをしながら、公務員試験の勉強をしている。一方、政治家をめざす麻衣子という彼女がいたが、灯という新入生と出会う。二人の女性を行き来する陽介。
肉体的にも知的にも優れ、女性とのセックスの機会にも恵まれた陽介だったが、なんとなく虚無の影が漂う。華麗なキャンパスライフを描写する著者の視線はどこか冷ややかだ。
非常に読みやすい作品である。著者の母校と思われる大学の雰囲気を味わいながら読むのも、若い読者にとっては悪くないだろう。
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