筋力の低下や日頃の姿勢のクセなどで、骨盤が前に倒れるようにゆがんでしまい、腰が反った状態を「反り腰」と言う。整骨院に腰痛を訴えて来院する患者さんのほとんどがこの「反り腰」の状態で、特に女性に多く、8~9割が「反り腰さん」だという。
反り腰は、腰痛だけではなく、肩こり、自律神経の乱れやぽっこりお腹などの痛みや不調を引き起こす。そこで今回は、猫背矯正マイスター(R)・小林篤史さんの新著『その不調・痛み、反り腰が原因です!』(産業編集センター)から、「反り腰さん」のセルフチェック&セルフ解決方法を紹介する。
見た目ではなかなかわからない反り腰には、独自のチェック方法がある。まず、つま先を軽く開き、かかと、お尻、肩甲骨、後頭部の4点を壁につけて立つ。そうしたら、今度は腰と壁の間に手のひらを入れ、空き具合をチェックする。このとき、入ったのが手のひら1枚分なら正常、2枚分なら軽度の「反り腰」さん、4枚分なら相当な重症だ。
「反り腰さん」には、見た目でわかる違いがたくさんある。おなかがポッコリと出ている、腰が反っている、鏡で見るとお尻が出っぱっている、パンツ着脱時にお尻が引っかかる、太ももの前側の筋肉がかたい、または盛り上がっている、内股気味である......。これはすべて「反り腰さん」の特徴だという。
それだけではない。身体の動きのバランスが崩れたことで、腰や肩甲骨をはじめとする体の端々が痛みはじめる。骨格はゆがみ、猫背、内股、O脚の原因となる。自律神経にも影響がある。さらに、女性特有の症状として、骨盤の前傾にともなう子宮下垂や尿もれも起きる。
反り腰を改善するために大切なのは、前傾している骨盤を立て、その状態を常にキープすることだという。本書では、「反り腰改善プログラム」として、「たった3つだけ」しかも「1つたったの10秒」という独自のプログラムを紹介していた。
1つ目は、お尻引き締め(10秒)だ。毎朝1回、たったの10秒行うだけで反り腰が改善するとされる。まず、つま先を90度に開いてまっすぐに立つ。下腹部に手を当てて10秒間お尻の穴をギューッと締める。たったこれだけだ。目を閉じて行うとお尻の筋肉に意識がむき、力を入れやすくなるとされる。
2つ目は、太もも前面前ストレッチ(10秒×左右)だ。太もも前側の筋肉の柔軟性を高めるストレッチで、腰を反らさないよう注意しながらしっかり伸ばすのがポイントとされる。いすの背もたれをつかんで横に立ち、片方のひざを曲げて足の甲を持ち、後ろに引き上げ10秒キープする。反対側も同様に行えば完了だ。
3つ目は、股関節ストレッチ(10秒×左右)だ。足を前後に開き、前のひざを90度に曲げて腰を落とす。さらに、背筋を伸ばしたまま体重をゆっくりと前に戻し、後ろの股関節を伸ばして10秒キープ。反対側も同様に行う。股関節まわりの筋肉を柔軟にして、骨盤を立てやすくする効果があるという。
■小林篤史さんプロフィール
こばやし・あつし/1975年、神奈川県横浜市出身。宮前まちの整骨院代表、猫背矯正マイスター(R)、フィジカルデータインテグレーション研究所所長、スカッと整体創始者、柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師。高校時代にプロ野球選手を目指すも、反り腰による腰痛などたび重なる不調により挫折。その悔しさから日本大学文理学部体育学科に入学し、トレーニング理論、機能解剖学などを研究する。2006年、宮前まちの整骨院を開院。姿勢を治す秘訣は「骨盤を立てること」であり、そのためには骨盤・股関節まわりの筋肉の柔軟性が不可欠と提唱。これまで姿勢を診てきた人数は30,000人を超える。2015年に「治る環境づくり」のビジョンの元、株式会社ボディスプラウトを設立。整骨院・整体院の施術、「はくだけ整体®シリーズ 整体ショーツ」などの商品企画開発及び販売、姿勢の専門家の育成、各種情報発信などを行う。NHK「ひるまえほっと」、日本テレビ「バゲット」などのテレビ出演、『anan』、『女性自身』、『週刊女性』、『週刊朝日』などメディア掲載も多数。『ねこ背は10秒で治せる! 』(マキノ出版)、『歩くだけで効く! おさんぽ整体』(三笠書房)など、著書累計は20万部を突破。現在、日本だけでなく、台湾、タイなど海外でも講演活動中。
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