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「歯磨き時の出血」放置で糖尿病の危険が高まる! 50歳から老けないための「口内ケア」本

50歳から老けない人の歯の習慣

 2023年3月27日、日本大学歯学部臨床教授・医学博士の武内博朗さんによる新著『50歳から老けない人の歯の習慣』(主婦の友社)が発売された。

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 本書によれば、認知症、糖尿病、がん、動脈硬化、肥満......。これらの病気や老化はすべて「口の中」の状態と深く関係しているという。口の中にはさまざまな細菌がひそんでいて、それを放置しておくことが病気の発症につながるからだ。

「口の中」の老化度チェックテスト

 下記のチェックリストで、自分の口に当てはまるものはいくつあるだろうか?

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 ひとつでも当てはまるものがあったら、歯周病の可能性があるという。

 毎日きちんと歯磨きをしていても、歯垢は意外と取り除ききれていないことが多い。その古い歯垢が堆積して、より病原性の高いバイオフィルムとなる。特に歯と歯の間に堆積した歯垢は、歯肉粘膜に強い炎症を起こす。すると歯肉炎が広がり、ブラッシングする際に出血するようになっていく。

 歯を磨くと血が出るけれど、痛みもないから......と放置してしまっている人も多いだろう。だが実は、全身の病気、たとえば認知症・糖尿病・がん・動脈硬化・肥満などに、この歯周病が少なからず影響を与えることが最新の研究からわかってきている。

歯周病が糖尿病につながるワケ

 なぜ、歯周病菌が全身の病気と関係があるのか。

 たとえば糖尿病。歯が抜けたまま治療をしていなかったり、歯茎が弱くなって硬いものが噛めなくなったりしている人は、食事が軟性食材(糖質偏重食)に偏ってしまい、ブドウ糖負荷を挙げてしまいがちになる。

 さらに肉類・野菜類が食べにくくなり、筋肉量も減ってしまう。本書によれば、このことが血糖の上昇に働き、糖尿病へとつながってしまうのだ。

 そこで、歯科治療によって歯周ポケットの菌やゴミを除き、歯や歯茎の炎症が起きないように治療すると、噛む機能が回復し、糖質偏重食ではなくなり、糖尿病を改善する方向に進むというわけだ。

病気知らずは「歯の習慣を見直すこと」から

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 本書では、口腔環境が全身の病気や老化に及ぼす影響についてわかりやすく解説。そして今から見直すべき歯の習慣を、「食事と生活習慣」と「歯の正しいケア」に分けて紹介している。

 人生100年時代。病気知らず、ボケ知らずでいるためには、歯から始める健康が大切ということがよくわかる一冊だ。

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■武内博朗さんプロフィール
たけうち・ひろあき/1987年 日本大学歯学部卒業、1991年 横浜市立大学医学研究科大学院博士課程修了(旧細菌学:分子生体防御学専攻)、横浜市大医学部附属病院口腔外科勤務、1993年 ドイツ連邦共和国マックス‐プランク研究所免疫遺伝研究部職員、1995年 ハイデルベルク大学医学部分子腫瘍研究部(ドイツ政府研究職員BATIIa)、 1996年 国立予防衛生研究所口腔科学部 う蝕室研究員、1999年 武内歯科医院勤務、2008年より日本口腔衛生学会認定医。横浜市立大学医学部細菌学教室元非常勤講師、日本大学歯学部衛生学講座非常勤講師、日本抗加齢医学会専門医、国立感染症研究所元客員研究員、日本アンチエイジング歯科学会常任理事、日本口腔検査学会理事。


※画像提供:主婦の友社

 
  • 書名 50歳から老けない人の歯の習慣
  • 監修・編集・著者名武内博朗 著
  • 出版社名主婦の友社
  • 出版年月日2023年3月27日
  • 定価1,650円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・192ページ
  • ISBN9784074538133

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