「ギーク(オタク)」と呼ばれ、非モテだった北欧女子・オーサ。
2011年に来日し、日本人の彼氏ができると思いきや......。
恋愛対象は『美少女戦士セーラームーン』の「タキシード仮面」だったという、オーサ・イェークストロムさん。本書『北欧女子オーサ、日本で恋をする。』(KADOKAWA)は、オーサさんの視点から日本とスウェーデンの恋愛カルチャーギャップを描いたもの。現在のスウェーデンの結婚観や性の価値観もわかる、全く新しい恋愛コミックエッセイだ。
本書は、「第1章 北欧女子の青春時代」「第2章 来日当初の恋愛事情」「第3章 スウェーデン人の恋愛【付き合うまで】」「第4章 スウェーデン人の恋愛【付き合ってから】」「第5章 北欧女子、日本で恋をする。」の構成。日本とスウェーデンの文化の違いに触れながら、オーサさんの驚きと発見がつづられている。
たとえば友人との食事の席で、オーサさんはすごくビックリしたことがある。1人が「みんなはS? それともM?」と質問すると、それに対してみんなが「私は絶対S」「僕はMかな?」と普通に答えていたのだ。
「そういう質問パーソナルすぎない!?」「日本人は普段シャイなのに」......。スウェーデン人にとって「SM」はセックスの話で、相当親密でなければ触れられない。このやりとりに激しく動揺したオーサさん。「SかMかはセックスの話じゃなくて性格についての話なんです!」と後から聞き、文化の違いを発見した。
ちなみに、スウェーデンには2018年から「性交同意法」がある。これは「セックスをする時に相手が言った『はい』か『ヤル気満々のサイン』がない限り犯罪になる」というもので、恋愛において「同意」がとても大事とされている。
スウェーデンから来たオーサさんからしたら、日本の恋愛によくある、嫌よ嫌よも好きのうち的なムードは不思議なものに見える。スウェーデン人男性の場合、いいムードの時に日本人女性から「ダメ」「アカン」と言われると(本当は「いいよ」の意味でも)、言葉どおり拒否されているのではないかと不安になるかもしれない。
もう1つ、オーサさんがカルチャーショックを受けたのが「ラブホテル」の存在。「ラブホテル」という言葉は、1960年代に大阪にできたホテルからきている。
当時、戦争で家を失くした人が多く、住宅地は窮屈でプライバシーがなかったことから、ラブホテルができはじめたという。さらにそのルーツは江戸時代まで遡る。スウェーデンにラブホテルはなく、オーサさんは驚いた。そしてその歴史を知って感動した。
このほか、たとえば「スウェーデン人の好みのタイプ」1位は「頭がいい」とある。スウェーデン人にとって頭がいいというのは、学歴が高いという意味ではなく、深いディスカッションができるなどの意味。また、スウェーデンは離婚率が高く、最近は結婚よりも「サンボ」が人気。これは結婚していない状態で一緒に住むことで、結婚しているカップルとほぼ同じ扱いをされる。北欧ではごく普通なのだという。
オーサさんが日本に来て驚きと発見の連続だったように、読みながらたくさんの驚きと発見がある。ちょっと今まで読んだことのない、新感覚の1冊だ。
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