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松山ケンイチが、『ノルウェイの森』の元となった作品を朗読。「僕だったらベッドの上で...」

螢・納屋を焼く・その他の短編

 Amazonがおくる世界最大級のオーディオブック・音声コンテンツ配信サービス「Audible」(以下、オーディブル)で、2022年6月1日から以下の村上春樹3作品の配信が始まった。

『螢・納屋を焼く・その他の短編』(朗読・松山ケンイチさん)
『職業としての小説家』(朗読・小澤征悦さん)
『ねじまき鳥クロニクル―第2部 予言する鳥編―』(朗読・藤木直人さん)

 オーディブルでは、日本語では初となる村上春樹さんの10作品のオーディオブック化を進行中だ。現在、『騎士団長殺し』を高橋一生さん、『海辺のカフカ』を木村佳乃さん、『神の子どもたちはみな踊る』を仲野太賀さん、『東京奇譚集』をイッセー尾形さんが朗読することが決定している。

松山ケンイチ、13年ぶりに春樹作品と再会

松山ケンイチさん
松山ケンイチさん

 「螢」は、村上春樹さんの長編小説『ノルウェイの森』の下敷きとなった作品。2010年公開の映画『ノルウェイの森』で主演を務めたのが、他でもない松山ケンイチさんだ。松山さんは、今回「螢」を読んで、当時『ノルウェイの森』で教えられたことが「しっかりと自分の中に入っている」と感じたという。

「(「螢」と『ノルウェイの森』のテーマである)"死というのは生の対極にあるわけではなくて、自分自身の一部としてもう既にある"ということは、今でもすごく大事にしている言葉だし、それを思い出しながら(「螢」の朗読を)やっていたって感じですかね。」

 そんな「螢」や、「納屋を焼く」をはじめとする短編を、松山さんはあえて「分からないまま分からないように」朗読したという。

「(朗読に限らず)映像の作品だとしても、結局、分からないんですよね。分かった風にもやりたくないし、分からないまま分からないようにやっていったっていうのがあります。何か伝えようと思ったりとか、はっきり聞こえるようにとか、そういうことも全然考えてないですし。」

 松山さんがこのオーディオブックを聴くならどんなシチュエーションか? という問いに対しては、こんなふうに答えた。

「僕だったら多分ベッドの上なんだろうなって思うんですよね。自分の頭の中でふんわりと映像があって、多分自分の今までの思い出の映像と重なって、その中で眠りに落ちるというようなイメージなんですよね。毎日10分、20分、30分とか、そういうような感じの聴き方になるのかなって。」

 ぜひ松山さんの朗読をベッドで聴きながら、眠りに落ちてみてはいかがだろうか。



「一番村上春樹自身に近い」作品

小澤征悦さん
小澤征悦さん

 また、『職業としての小説家』を朗読した小澤征悦さんは、この作品を「おそらく一番村上春樹自身に近い」のではないかと語る。

「春樹さんが春樹さんご自身の言葉で、世の中を見て、いろいろ考えること、もしくは若い人たちに伝えたいことを素直に語られている作品なので、一番"村上春樹的"な作品だと思います。」

 自身も朗読を通して多くの気づきがあったという小澤さん。小澤さんの声で語られる「村上春樹自身」の言葉を、じっくりと聴いてみよう。



 BOOKウォッチでは、『ねじまき鳥クロニクル』を朗読した藤木直人さんのコメントも紹介している。こちらもあわせてチェックしてほしい。


藤木直人が『ねじまき鳥クロニクル』を朗読。「残虐なこともちゃんと描いてる」

『ねじまき鳥クロニクル ―第2部 予言する鳥編―』Audible版

※画像提供:Audible


  • 書名 螢・納屋を焼く・その他の短編
  • 監修・編集・著者名村上春樹 著

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