なぜ、源氏将軍はたった三代で断絶したのか――?
政治の実権を握った北条氏とは何者なのか――?
鎌倉時代の疑問は、『吾妻鏡』で解決できる!
源頼朝と義経の兄弟骨肉の争い、頼朝からわずか三代で断絶した源氏将軍の悲劇、北条氏による執権政治が確立されるまでに行われた、邪魔者一族の討滅......。大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で話題の鎌倉時代は、ドラマでも描かれている通り、御家人同士の血で血を洗う超ド級の権力闘争の時代だった。
そんな事件を淡々と記録したのが『吾妻鏡』だ。徳川家康の「座右の書」としても知られるこの歴史書は、鎌倉幕府の準公式記録。これを読めば、鎌倉時代の公式な歴史に触れることができる。
ただし、『吾妻鏡』は「北条氏の北条氏による北条氏のための歴史書」であり、いささか客観性に欠けるところがある。そのため、素人がいきなり読んでも、時代背景や記述の意図を汲み取ることは難しい。
そこで本書では、著者の板野博行さんが、同時代に書かれた非公式の歴史書『愚管抄』を書いた天台座主(僧職の最高位)慈円になりきって、『吾妻鏡』の世界観や読みどころ、登場する人物像などを解説。『吾妻鏡』に準じながら、朝廷側にあたる慈円の書いた『愚管抄』やそのほかの史料も駆使して、鎌倉幕府に渦巻いた権力闘争にまつわる様々な疑問の真相に迫っている。
・源頼朝は「後顧の憂い」を徹底的に絶ったはずだったのに...
・北条氏の「家柄ロンダリング」とは
・尼将軍・北条政子は「女スパイ」だったのか
・北条義時は将軍家を滅ぼした「逆臣」なのか
・「御恩は山より高く、海より深い」――世紀の大演説
・最強上皇・後鳥羽院はなぜ「承久の乱」に負けたか
・鎌倉殿の十三人――「最後に笑った」のは?
板野さんは、予備校のカリスマ講師として日本史を教えてきた、いわば解説のプロ。本書でも、登場人物の説明だけでなく、日本史の勉強にもなるよう、時代背景などについてわかりやすい解説がなされている。
中世という時代、そして『吾妻鏡』の魅力を知るのにピッタリの一冊だ。
著者プロフィール
板野博行(いたの・ひろゆき)
岡山朝日高校、京都大学文学部国語学国文学科卒。
ハードなサラリーマン生活から、予備校講師に転身。
カリスマ講師として、全国の生徒に向けての講義や参考書を執筆。
『吾妻鏡』の中で好きな人物は、和田義盛。
著書に、『眠れないほどおもしろい源氏物語』『眠れないほどおもしろい百人一首』
『眠れないほどおもしろい万葉集』『眠れないほどおもしろいやばい文豪』
『眠れないほどおもしろい徒然草』『眠れないほどおもしろい平家物語』(以上、三笠書房《王様文庫》)の他、多数。
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