予約の取れない日本料理店「賛否両論」の店主・笠原将弘さん。家庭では父として家族のために料理をふるまうこともあるそうだ(うらやましい!)。そんなプライベートの「自宅飯」が収録されたレシピ集が好評だ。
『笠原将弘のまかないみたいな自宅飯』(主婦の友社)には、笠原家の食卓を再現した、気取らない家庭料理がたくさん掲載されている。
笠原さんは、社会人の長女、成人したばかりの次女、高校生の長男との4人家族。本書では、ステイホーム期間に実際に自宅で子供たちや自身のために作った、飾らない本音の料理を公開していく。
「たらのムニエル」は魚が苦手な長男のために考えたメニュー。たっぷりのバターを少し焦がしたところにケイパーやにんにく、パセリ、トマトなどを加えたフランス料理の手法で作るソースとたらを組み合わせると、若者の好きなしっかり味に。
お酒が飲める年齢の娘2人がリクエストするのは、タイ料理や洋食がほとんど。本場では揚げて作るトーストのおつまみもフライパンで焼いて作るので、家庭でも再現しやすい。
味付けは、自宅に常備してある調味料でできる。特別なものは必要なく、「和食ベース」なので馴染みがある。
例えば、ミートソースの味付けは、赤ワインとケチャップではなくしょうゆとみりん。タイ風チキンを食べるときの酢、はちみつ、しょうゆ、豆板醤をまぜたスイートチリソース風は「甘すぎずおいしい!」と大好評だという。
「サイゼリヤ」の名物メニューや、テレビ番組を見て再現したチーズダッカルビなども再現。コロナ禍で外食の機会が減った方も、家庭料理で特別感を楽しむことができる。
「久しぶりに家族のために料理を作り、家族揃って食卓を囲む時間が増えたことは、私にいろいろな発見をくれました。世界中の料理の奥深さが知れたことはもちろんのこと、長女が酒が強いこと、次女が生ガキ好きなこと、次男がペペロンチーノにはこだわりがあること。子ども3人ともいつの間にか大きくなったなあ、ということ......」(「おわりに」より一部抜粋)。
家庭料理を作る中で、笠原さんが家族一人ひとりをより深く理解していくエピソードにはあたたかい気持ちになる。父としての料理人の姿を垣間見ることのできる本書は、読み物としても興味深い。
本書の目次は以下の通り。
第1章 笠原家の「あれまた作って!」はこんな味
第2章 早くて旨いの基本は、思い出のまかないにあり
第3章 忙しい日に頼れるは、皆が好きな炭水化物
第4章 具材2?3種と小なべがあれば、ごちそう風
第5章 家にあるものを使って、1日の終わりに食べるもの
うちの調味料と調理器具/自分で使う器のこと/自宅に常備しているもの~冷蔵庫編・食品庫編・野菜編~ 他
シンプルなレシピだが、笠原流のひと工夫でプロ並みの味に。この通りに作ればおいしいこと請け合いだ。そこに各家庭の「愛情」をエッセンスとして加えれば、家族が笑顔になること間違いなし。
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