友人からの「ちょっとふっくらした?」のひとこと。悪気がないと分かってはいるけれど、つい傷ついてしまう。
本書『ぜんぶ体型のせいにするのをやめてみた。』の著者、竹井夢子さんは、物事がうまくいかないのは太っているから、それならば「痩せればみんなうまくいく」と信じこみ、心まで蝕んでしまう過酷なダイエットを始めた。
最初の2カ月でなんとマイナス9kgを達成。その成功秘話を"プー子"の名でInstagramに発信していると、瞬く間にフォロワーが10万人を超える人気となった。さらに企業からもダイエット案件のオファーがあるなど、ダイエット系インフルエンサーとしての地位を確立していったのだ。
しかし、その成功が彼女を追い詰めていく。
気が付けば竹井さんは、「痩せる」ことでしか自分を肯定できなくなってしまったのだ。「痩せたい」という気持ちに囚われて家族やパートナー、友人など大切な存在との時間を蔑ろにし、結果的に自分自身も深く傷つけることになってしまった。
本書は、痩せるためのノウハウが書かれたダイエット本ではない。「痩せる=キレイ」という考え方に囚われ、心まですり減らしてしまう女性をひとりでも減らすために、竹井さんが実体験を綴ったもの。誰もが陥りがちなダイエットの闇を描いている。
目次は下記の通りである。
「どうしてダイエットを始めたの?」アンケート
Prologue
第1部 「あれ、太った?」と言われてから始まったこれまでのこと
story1 華奢なあの子になれない
story2 ダイエットで成功したけれど
story3 インフルエンサー
story4 ダイエットと承認要求
story5 糖質制限の闇
story6 ケトジェニック
story7 ダイエット卒業
story8 体重って、なに?
story9 痩せたい気持ちは、悪くない
第2部 自分を大切にする20のメッセージ
フォロワーさんアンケート2 「自分のどんなところが好きですか?」
特別寄稿
◎ボディポジティブに生きようよ 吉野なおさん(モデル・インフルエンサー)
◎摂食障害とダイエット 小野寺瞳(元ダイエット系インフルエンサー・摂食障害カウンセラー)
Epilogue
SNSで痩せたことを投稿し、「いいね」を得ることで承認欲求を満たす。一時的には救われても、「もっと、もっと」という気持ちが心と体を蝕んでいく――。どうすれば自分に自信が持てるのか、本当の「美しさ」とは何かを考えさせられる一冊。
■竹井 夢子(たけい・ゆめこ)さんプロフィール
1999年2月17日生まれ。軽井沢出身。慶應義塾大学文学部卒。 2018年からインスタグラムやオンラインサロンでダイエットや美容をテーマに女性向けコンテンツを配信。当時のフォロワー数は12万人を超える。2020年8月、出版社ブルーモーメントを設立。メインテーマは「『らしさ』を肯定し、『らしく』輝く」。 現在はIT企業に勤めつつ、副業として出版社の活動を継続している。
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