リモートワークで通勤時間が減ったのはいいが、その分、座っている時間が格段に増えた。肩こりや腰痛、首の痛み......。通勤とは別の種類の「疲れ」がたまっているのでは。
運動不足→疲れがたまる→動きたくない→運動不足......の負のループから抜け出すには、「脳と筋肉をうまくつなげて筋肉のむだ使いをなくす」ほぐ筋ストレッチがおすすめ。本書、『がんこな疲れがとれる!3分ほぐ筋ストレッチ』(学研プラス)では、トップアスリートの身体のメンテナンスをする上で生まれた疲労回復方法と、その予防方法を紹介している。
著者の広瀬統一さんは、大学でトレーニング科学の最新研究を行い、なでしこジャパンやJリーグチームで選手が最高のパフォーマンスを出すために、「疲れを残さない」「疲れにくくなる」コンディショニングを整える役割を担ってきた"疲労マネジメントのプロ"だ。
「アスリート向けのストレッチなんてハードルが高い」と思いきや、広瀬さんによれば、「私たちの生活もアスリートと同じように競争や高い負荷にさらされていて、その疲れの回復プロセスの基本は同じ」だという。
運動不足の人は、筋肉が硬くなって本来の力を出し切れていない状態です。さらに、動きを頭(脳)でイメージしながら前進の筋肉を強調させることが苦手なため、自分の持っている筋肉を7割程度しか使えていません。
しかしそれだけ、筋肉には潜在的な力が眠っているという。ストレッチをする際は「どの筋肉を伸ばしているか」に意識を向けると効果的だ。
まずは、毎朝活動を始める前に、3分でできる「疲れない体操」をするのがおすすめ。眠っている全身の筋肉を目覚めさせて働きをよくし、血流をよくすることと、縮こまった姿勢をリセットすることで、体の疲れ方が格段に違うという。
目覚めさせたい3つの部位は、脚(太もも、ふくらはぎ)、おなかと胸(腹筋、胸筋)、背中(肩甲骨周り)。どの筋肉を動かしているかを意識しながら、気持ちよく伸ばそう。
リモートワーク中、座りっぱなしで腰や肩がつらいときには、「腰回し」のストレッチがおすすめだ。急に立ち上がって体操を始めたところで、職場の人に見られるわけでもない。「ああ、疲れた」と思ったときはいったん仕事の手を休め、ストレッチを行おう。
「座りっぱなし」の生活は、肩こりや腰痛だけでなく、心血管疾患やがんなどによる死亡リスクを高めるという。まずは椅子から立ち上がり、凝り固まった筋肉をほぐすことから始めてはいかが?
■広瀬統一さんプロフィール
早稲田大学スポーツ科学学術院教授。専門はアスレティックトレーニング、トレーニング科学ほか。早稲田大学人間科学部スポーツ科学科を卒業後、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。早稲田大学にて教鞭をとるかたわら、サッカー女子日本代表フィジカルコーチ、ジェフユナイテッド市原・千葉ユースアカデミーコンディショニングコーチを歴任。テレビ番組「世界一受けたい授業」の出演でも知られ、著作も専門家向けのものから、一般向けのものまで幅広く執筆。学研プラスの書籍では『大人女子の体幹ストレッチ』『女子の体幹レッスン』がある。
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