コミックDAYSで大反響の話題作、彩野たまこさんの『おかあさんといっしょがつらかった』(講談社)がついに単行本化された。実の娘を「悪魔の子」と罵る「毒親」に育てられた著者が、辛い過去を乗り越え、幸せな今を掴み取るまでを綴ったコミックエッセイだ。
以下に、本書の内容の一部を紹介する。「ウチの子じゃない」と言われた著者が、「自分は悪い子なんだ」と思い込み、自分で自分の頬を殴るシーンに胸が痛くなる。
理不尽な理由で暴言や暴力を浴びせたり、新興宗教に付き合わせたり、わが子を所有物のように扱う。あげく、汚部屋にこもり、ひたすら酒に逃げる。そんな母親に育てられた著者は、どんなに苦しい思いをしたことか。そこからどうやって逃げ出し、前を向いて自分の人生を歩みだしたのだろう。
毒親をテーマにした『血の轍』などの作品で知られる漫画家の押見修造さんは、次のようにコメントを寄せている。
「描くことでしか癒せない傷がある。たとえ誰かに叩かれようが、罪悪感に襲われようが、描かないといけないのだ。彩野さんは、漫画という一本の糸で、どうしようもなくぐちゃぐちゃになった傷を縫い合わせた。そのことに胸を打たれた。」
体験談から絞り出されるリアルな言葉が読者の胸に突き刺さる。つらい描写に目をそむけたくなるが、読み進まずにはいられない。親子・家族関係だけでなく、人間関係に悩みを抱えるすべての人の心に寄り添うエッセイだ。
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