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今年89歳の筒井康隆。「最後の作品集」を11月に発表

カーテンコール

 2023年9月24日に89歳の誕生日を迎える筒井康隆さんが、「最後の作品集」となるかもしれない掌編小説集を11月1日に発表する。タイトルは『カーテンコール』(新潮社)だ。

『カーテンコール』筒井康隆 著(新潮社) カバーは仮のもの
『カーテンコール』筒井康隆 著(新潮社) カバーは仮のもの

 筒井さんが「これがおそらくわが最後の作品集になるだろう」(編集者いわく「信じていません!」)と言う本書は、この3年ほどで書いた25篇の掌編(ショートショート)を収録している。前作の短編集『ジャックポット』(新潮社)は実験的な作品が多かったのに対し、今回はエンターテインメント性が強い作品が中心で、まさに読者への最後の挨拶のような一冊になっているという。

 収録作品の一つ「プレイバック」は、『時をかける少女』『文学部唯野教授』『パプリカ』など筒井さんの代表作の主人公たちが、病床の筒井さんを訪れるというストーリー。このほか、深夜に総理大臣をインタビューする「官邸前」、大蛇に育てられた美少女を描く「白蛇姫」、小さな人魚とのキュートな恋愛譚「横恋慕」、ひとり息子の伸輔さんの死の直後に書いた「川のほとり」などが収録されている。

 2016年の『モナドの領域』(新潮社)を「最後の長篇」と言ったのち、長篇小説を書いていない筒井さん。作家業を引退するわけではないが、もしかしたら本書が本当に「最後の作品集」になるのかもしれない。

筒井康隆さん
筒井康隆さん

■筒井康隆さんプロフィール
つつい・やすたか/1934年大阪市生れ。60年、SF同人誌〈NULL〉を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が〈宝石〉に転載される。65年、第1作品集『東海道戦争』を刊行。81年『虚人たち』で泉鏡花文学賞、87年『夢の木坂分岐点』で谷崎賞、89年「ヨッパ谷への降下」で川端賞、92年『朝のガスパール』で日本SF大賞、2000年『わたしのグランパ』で読売文学賞、17年『モナドの領域』で毎日芸術賞を受賞。他の著作に『時をかける少女』『パプリカ』『残像に口紅を』『虚航船団』『七瀬ふたたび』『富豪刑事』『文学部唯野教授』『聖痕』などがある。


※画像提供:新潮社


    
  • 書名 カーテンコール
  • 監修・編集・著者名筒井 康隆 著
  • 出版社名新潮社
  • 出版年月日2023年11月 1日
  • 定価1,870円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・256ページ
  • ISBN9784103145363

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