20歳以下の皇位継承資格者は悠仁さまだけという状況が続くなか、この十数年、皇位継承についての様々な改善策が議論されてきた。中でも有力視されてきたのが「旧宮家の皇族復帰」と「女性・女系天皇の容認」という2つの案だ。
6月5日発売の「AERA(アエラ)2023年6月12日号」(朝日新聞出版)では「女性・女系天皇を阻む壁」と題して、この問題を巻頭で特集。識者へのインタビューが多数掲載されている。
インタビューでは、2つの案のうち「旧宮家の皇族復帰」については否定的な声が多い。成城大学教授の森暢平さんは、実際に議論が始まれば「多くの問題が持ち上がり、大混乱になる」と予想している。
では、「女性・女系天皇の容認」はどうか。2019年に行われた朝日新聞の世論調査によれば、7割超が女系天皇を「認めてもよい」と回答した。また、2005年11月には、小泉政権下での有識者会議で女性・女系天皇を容認する「最終報告書」も提出されている。ところが、こちらの案には保守派が強硬に反対していて、議論はいっこうに進んでいない。
日本大学教授の古川隆久さんは、諸外国の王室とは異なる「男系男子」にこだわり続け、女性の社会進出やジェンダーフリーに逆行する状態が続けば、「日本衰退の原因になりかねない」と憂慮する。同時に、急速なルール変更は愛子さまや悠仁さまへの負担となるため、「次の代から」適用されるとして、今のうちに女系天皇容認などの制度設計をしておくことが望ましいとしている。
記事ではこのほか、雅子さまと同世代の女性たちの30年についての記事も掲載。出産へのプレッシャー、皇室外交のままならなさなど、雅子さまや同世代の女性たちが直面した「つらさ」に焦点をあてている。
渡辺明名人に挑む名人戦を4勝1敗で制し、「最年少名人&七冠」という大記録を達成した藤井聡太七冠についての特集も掲載されている。藤井名人誕生の軌跡、その偉業がいかにすごいか、そしてさらに藤井「八冠」への可能性など、将棋ファンでなくとも注目の内容となっている。執筆は、棋士が様々なテーマで語る人気連載「棋承転結」を手がける将棋専門ライター・松本博文さんが担当。
表紙には、テレビドラマ『ペンディングトレイン』に主演する山田裕貴さんが登場。ロングインタビューでは「主演であることの責任の重みを実感しました」とコメント。撮影中に感じたこと、考えたことについて語っている。
また、連載「松下洸平 じゅうにんといろ」は、松下さんの"憧れの人"である魔裟斗さんをゲストに迎えた対談の2回目。話題は、魔裟斗さんと格闘技の出合いについて。2度の世界チャンピオンを経験された魔裟斗さんの言葉に、松下さんは終始、感銘を受けっぱなし。「世界チャンピオンを背負い続けるプレッシャーの中で生きてこられたメンタルは本当にすごいなと思います」と松下さんはコメントしている。
今号では、以下の記事も掲載。
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全米で激化する「禁書」 LGBTQや有色人種の表現の自由を抑制
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