東大への合格者数が多い高校といえば、開成、灘、ラ・サール、東京学芸大附......。令和のいま、そんな「名門校」に関する常識が変わりつつあるという。
5月29日発売の「AERA(アエラ)2023年6月5日号」(朝日新聞出版)の巻頭特集は、「30年で激変 大学合格マップ」。難関16大学の合格者数ランキング上位高校がこの30年でどう変わったのか、その背景には大学や高校のどんな変化があるのか、などを詳報している。
東大、京大、阪大、早慶上理、MARCH、関関同立。これら難関16大学に強い高校はどこなのか。特集では、合格者数ランキングを2023年と1993年で比較し、その変化を分析している。
まず目につくのは、東大合格者数ランキング上位の大変動。かつて開成や灘と肩を並べていたラ・サール、東京学芸大附、県立千葉といった伝統ある高校がトップ10から脱落し、渋谷教育学園幕張(渋幕)や西大和学園といった新興の名門校が名を連ねている。
大学通信情報調査部の井沢秀さんによると、これら「令和の名門校」に共通しているのは80年代に開設された新設校であること、また、「ガリガリ勉強させるより、情操教育に力を入れているところ」だという。
事実、大躍進を遂げた渋幕は、特進コースのようなクラス編成もなく、生徒の自主性を重んじる工夫があちこちにある。同校校長の田村聡明さんは「楽しくなければ学校じゃない」と語る。
自主性や柔軟性の高さでは、同じく躍進した西大和学園も負けていない。もともと京大など関西の難関校に強みを持っていたが、2014年、高2の生徒たち67名の嘆願をきっかけに「東大専用コース」が設立された。要望に応えるため、高校側は急きょリフォームなどで大部屋を作って対応。生徒たちも期待に応え、その代の東大合格者数は史上最多を記録した。
記事ではこのほか、昨今人気を集めるデータサイエンス学部について詳しく分析する記事や、この分野で女子学生を増やそうという大学の覚悟など、受験生を抱える家庭はもちろん、これからの教育を考えるうえでも有益な情報を紹介している。
表紙には、本誌で「じゅうにんといろ」の連載を続ける松下洸平さんが登場。ロングインタビューでは、NHK連続テレビ小説「スカーレット」に出演するまでの10年について「あの10年がなかったら、僕は今ここにいません」と当時を振り返っている。
カンヌで坂元裕二さんが脚本賞を受賞し、注目を集めている映画「怪物」に関する鼎談も掲載。この作品を通して是枝裕和監督が描きたかったものは何なのか、是枝監督と、主演の安藤サクラさん、永山瑛太さんが語り合っている。是枝監督は今の世の中について、「自分に理解できないものを『怪物』として、理解しようとせずに蓋をしてしまう」と分析。安藤さん、永山さんもそれぞれが抱く怪物像を語り、現代社会を深く考察する内容となっている。
さらに、大きな話題を呼んだG7広島サミットの特集も。「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」が公表され、岸田首相が「歴史的だ」と強調する一方、日本原水爆被害者団体協議会の木戸季市事務局長は「核の傘の下で戦争をあおるような会議になった」と強い言葉で批判。被爆者から怒りや落胆の声が上がった背景を詳しく報じている。
今号では、以下の記事も掲載。
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