2023年5月12日発売の「プレジデント」(2023年6月2日号)は、「間違いだらけの健康常識100」と題した特集を組んでいる。健康常識の9割はウソで、信じてはいけないと警鐘を鳴らしている。
食の健康神話について、薬学博士の生田哲さんと公衆衛生学者の林英恵さんが科学的に検証している。たとえば、「白米よりも玄米が体にいい」という言説。玄米は精製しないことで、ぬかや胚芽に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素が損なわれていないのがその理由とされている。
しかし、理論上は正しくても、エビデンスがなければ仮説にすぎない。白米に関していえば、アジア人は白米の摂取量が多いほど糖尿病のリスクが高まることが多くの研究で指摘されている。しかし、がんなど糖尿病以外の病気との因果関係は今のところ認められていないという。
さらに、カナダや日本人男性を対象とした研究では、白米を食べている人ほど死亡率が低いことを示唆するものもある。また玄米は精白しないことで、ヒ素やカドミウム、残留農薬などが胚芽に残るリスクもあり、いちがいに白米よりも体にいいとはいえない、としている。
このほかにも、「少しの飲酒はむしろ健康にいい」「牛乳を飲めば骨が丈夫になる」などの常識をやり玉に挙げている。
医療についての言説について、医師の森田洋之さんが正している。「病床数を増やせば平均寿命も延びる」と言われているが、実際にはOECD加盟国の大多数が、病床数を減らしたことで平均寿命を延ばしているデータを紹介している。日本でも男女とも長寿1位の長野県は、病床が比較的少ないという。体の部位、症状別に専門医が新たな治療法や予防習慣を取り上げている記事が参考になる。たとえば、高血圧には「1日1万歩」のウォーキングよりも、1秒間に2回を目安に、8秒間(16回)跳ぶ、「8秒ジャンプ」が効果的だと、愛媛大学医学部の伊賀瀬道也教授は勧めている。これを1日に10セット行う。有酸素運動と筋トレの両方を兼ね備え、高血圧の改善に効果があるという。
また、脂肪肝を減らすには、軽めの運動がこれまで推奨されてきたが、より激しい運動を短時間かつ低頻度で行っても、中性脂肪は減らせると、慶応義塾大学病院の伊藤裕特任教授は説明している。
ポイントは「もうこれ以上できない」と感じるほど強度の高い運動と、休息を繰り返すことだ。この方法はHIIT(高強度インターバルトレーニング)と呼ばれ、1セット2分を2セット行うだけでも効果があるそうだ。
このほかに、「症状別若返り5大医学メソッド」「男女別、身長別の寿命が最長になる体重」「体調が上がる腸内細菌図鑑」などの記事も参考になりそうだ。
誤った健康常識にとらわれず、最新の正しい知識を得ることが大切だ。
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