2023年3月10日発売の「プレジデント」(2023年3月31日号)は、「『定年』の新常識」と題した特集を組んでいる。9割の人が、準備不足で後悔しているという。定年前後のお金、孤独、健康対策をまとめている。
定年にかんする新常識とは、こうだ。
・お金 長く働き、年金受給を繰り下げる ・孤立 会社の外に居場所をつくり、ゆるくつながる ・健康 「定年制度」にとらわれず、新しいことにチャレンジする
経済コラムニストの大江英樹さんは、老後の支出は、3つに分けて考えるのが得策だと説いている。1つ目は日常生活費。食費、水道・光熱費など、生きている限り絶対にかかるお金だ。2つ目は、旅行、趣味などの自己実現費。使うか使わないかを自分でコントロールすることができる。3つ目は、医療費、介護費、高齢者施設に入る費用などだ。これは一番コントロールできないお金だ。
この3種類のお金の出どころをきちんと考えておくことが大切だ。日常生活費は公的年金の範囲でまかなう。自己実現費は、働いて稼ぐお金でまかなう。遊ぶために働くと考えれば、モチベーションが上がる。3つ目の医療費などは、いつどのくらい必要になるのか読めない。したがって、貯金や退職金、金融資産など、手元に確実にあるお金でまかなうことを考えたい。
孤立の不安を解消するために、『定年後』などの著書がある人事コンサルタントの鏑木新さんは、やりたいこと、なりたい自分が見つかる「自分史ノート」を書くことを勧めている。定年後は、自分のために時間を使える人生の最大のチャンスだ。自分の内なる価値観に近いところで行動できる人は充実して生きているのではないか、という。
健康の不安について、順天堂大学医学部教授の小林弘幸さんは、「あえてストレスがかかる状況に身を置こう」とアドバイスする。交感神経は不慣れな場所で、自分が活動しなければならないときに活性化する。簡単な方法は、身だしなみを変えることだという。生活の中で新しい刺激を受け続ければ、健康に長く働けるはずだ。
また、『ほんとうの定年後「小さな仕事」が日本社会を救う』の著者で、リクルートワークス研究所研究員の坂本貴志さんは、データと統計をもとに「月10万円稼げば、定年後はお金に困らない。定年後に就く仕事は、圧倒的にラクになる。幸福度は、50代で底を打ってV字回復する」という3つの法則を提唱している。この法則を知れば、それほど定年後を恐れる必要もないだろう。
このほか、60代に聞いた「定年前にやればよかった」リスト、80代に聞いた「定年後のやってよかったベスト3」などの記事も参考になるだろう。
定年延長などで、60代、70代になっても働き続ける人が増えている。定年の常識が変わったことを印象づける内容だ。
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