2023年9月22日発売の「プレジデント」(2023年10月13日号)は、「健康診断のウラ側」と題した特集を組んでいる。健康診断、人間ドック、定期健診がムダかもしれないという。その訳とは......。
解剖学者の養老孟司さんと生物学者池田清彦さんが「間違いだらけの健康常識の正体」と題して対談している。冒頭、池田さんが「医療の一番の嘘は健康診断でしょう」と発言しているのに驚いた。
健康診断は利権のシステムになっており、少なくとも自分は受けるつもりはない、と断言している。
養老さんも、システムの問題で薬を出さないと医者は食べていけないという。ずっと病院に行きたくないと言っていたのは、一度医者にかかるとそのシステムに否応なく巻き込まれるからだ、と話す。それでも医者に行くのは、システムが壊れると、本当に医療が必要なときに困ってしまうからだという。
「医者にかかって薬を毎日飲んでいます。たぶん意味がないけど、飲まないと医者の機嫌が悪くなるから仕方がない」とも。
東京大学医学部附属病院放射線科 総合放射線腫瘍学講座 特任教授の中川恵一さんが説く、「間違いだらけのがんの常識」も説得力がある。がん患者が多くの先進国で減っている一方、日本で増え続けているのは、日本のがん対策に大きな障害があるからだ、と指摘している。日本人のがんに対する知識が乏しく、理解が不十分だという。
がんの原因の第1はタバコ、第2は感染症、第3は酒だ。タバコは肺がんのみならず、すべてのがんについて約3割の原因を占めているという。
感染症ががんの原因という認識は日本ではあまり浸透していない。しかし、胃がんの約9割がピロリ菌、肝臓がんの約8割もウイルスによるC型・B型肝炎が原因。子宮頸がんのほぼ100%が性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)への感染によるものだ。
酒については適量なら「百薬の長」と言われてきたが、最近の研究でなるべく飲まないほうが、がんになりにくいことが分かってきたという。
その半面、焦げやストレス、また遺伝性のがんはあまり原因にならず、紫外線も日本人の場合、皮膚がんの原因にならないそうだ。そうした日本人の間違ったがんの常識をただしている。一方、がん検診は重要だとして、受診を勧めており、放射線治療の有効性を説いている。
このほか、大人気薬剤師たちが教える症状別「高くても飲みたい市販薬、自分では飲まない市販薬」、20万人を診た専門医直伝「最強の解毒術」などの記事を掲載している。
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