美内すずえさん、くらもちふさこさん、山岸涼子さんら、70年代の人気少女漫画家のアシスタントを務めた笹尾那実(さそう・なみ)さん。当時の思い出話をまとめたコミック『薔薇はシュラバで生まれる -70年代少女漫画アシスタント奮闘記』は、多方面で話題を呼んだ。
その笹生さんが待望の新刊、『すこし昔の恋のお話 -笹生那実短編集&エッセイまんが』(イースト・プレス)を発売した。今回は、「昭和の青春」が存分に描かれている。
「32年ぶりに漫画をちゃんと描いた」という前作を出版した時、各方面から取材依頼がきてびっくりしたという笹生さん。「続編をぜひ!」と求められたが、断り続けていた。なぜなら、「あの話は描いたら先生に怒られそうだし、あっちの話は噂でしか知らないし...」と、「描ける話は全部書いちゃった」から。
本作では、笹生さんのお蔵出し4作品と、著者自身による作品秘話、そして、「恋」にまつわるエッセイが掲載されている。
懐かしいタッチと、色褪せない絵力に圧倒される。そして、今も昔も変わらない少女たちの「想い」に胸がキュンとする。携帯電話もビデオもDVDもなく、観たい映画は映画館に観に行く時代ならではの、恋愛事情にドキドキする。
前作で話題となった、大物漫画家たちのイラストを、それぞれの作品の絵柄に合わせて描き分ける、というワザも健在だ。作者自身の結婚秘話や、当時の漫画家たちの恋愛事情も描かれており、こちらも気になる。
「可愛い」と「面白い」と「懐かしい」がいっぱい詰まった本書。昭和に少女であった方も今まさに令和の少女である方も、甘酸っぱくてドキドキする恋愛模様に夢中になるに違いない。
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