予約を開始するとすぐに売り切れてしまう人気のお弁当店がある。東京・西荻窪にある「日常軒」だ。店主の嶋崎恵里奈さんが6月18日に発売された『西荻窪 日常軒のお弁当 ―毎日食べたいおいしさを作る9つの秘訣―』(大和書房)で、お弁当作りのポイントとレシピを公開してくれた。
著者は、「日常軒」店主の嶋崎恵里奈さん。Soup Stock Tokyoなど飲食の現場で勤務しながら、将来自分のお店を持つことを夢見て、夜間の専門学校に通っていた。ある日、在宅勤務になった友人から「お弁当を作ってほしい」と依頼されたことがきっかけで、お弁当を作り始めたところ、いつしかその美味しさがクチコミで広がり、2020年9月に実店舗を持つことになったのだ。
作る人も食べる人も嬉しくなることをコンセプトにした本書。お弁当作り初心者さんでも、楽しく実践するコツを「9つの秘訣」として紹介している。
【目次】
秘訣1 お弁当の地図を作っておきます
秘訣2 お弁当で野菜をおいしく食べるワザがあります
秘訣3 ほんのり中華だと食べた人の満足度が上がります
秘訣4 "蒸す"を味方につけましょう
秘訣5 オムレツはうれしいおかずです
秘訣6 食べる人のことを考えながら包みます
秘訣7 オイルの使い方をマスターすれば幅が広がります
秘訣8 ヘルシーでおいしい日常軒的・肉のおかず
秘訣9 "とろみ"をつければ汁気のあおかずも入れられます
毎朝、娘のお弁当作りを(かなり適当に)している記者にとっては、興味しんしんの秘訣である。 日常軒的お弁当作りのポイントは、次のとおり。
・「地図」を決めておくとラクです。
・主菜と副菜を分けていません。
・晩ごはんにも食べられるおかずです。
・前日すること、当日することを分けています。
「地図」とは、どこに何を詰めるかを決めたものだという。下記のように、「地図を決めておけば、季節やそのときの食べたい気分でおかずの内容を変えていくだけでOKです」。
お弁当箱を縦に3分割して、まず右側がご飯です。真ん中は上から野菜のおかず1、野菜のおかず2、点心(ワンタン、ぎょうざ、春巻きなど皮で包む中国料理)。左側は上が卵のおかず、下が肉のおかず。
主菜と副菜を分けずに、全部がメインだという。全体のバランスをとることで、おいしく満足できるように考えているのだ。元ボクサーの夫は「カロリーを気にするより、バランスの良い食事のほうがずっとラクに痩せられる」と言っているそうだ。
でも、何品もお弁当に詰めるのは、相当ハードルが高い。だが著者は、晩ご飯のおかずを多めに作って翌日のお弁当に入れていい、本書掲載のおかずは晩ごはん用としておすすめのものばかりだと言う。
そして、ほとんどのおかずは「前日すること」と「当日すること」の二段構えで作るやり方だというので、マネできるかも。お弁当作りは、面倒だけど、本書を教科書に、食べた人を「今日のお弁当すごくおいしかった!」と感動させるものにチャレンジしたい。
本書には、季節の野菜をおいしく食べるコツや、食べた人の満足度を高めるためのおかずの考え方、冷めてもおいしくて喜ばれるシュウマイやぎょうざや春巻きなど、お弁当作りで知っておきたい知恵がたくさん詰まっている。
日常軒が誕生したころにふらっと通ってくれた人のメッセージが帯に!
人生いろいろあるけれど、「ゆったりのんびり行きましょうよ」とメッセージをくえる。それが日常軒のお弁当と肉まん。(女優・原沙知絵さん)
豚まんが一緒なんて子どもの時の夢みたいなお弁当ですが、大人が食べて楽しいに溢れてます。(グラフィックデザイナー・大島依提亜さん)
■嶋崎 恵里奈(しまざき えりな)さんプロフィール
「日常軒」店主。奈良県出身。大学卒業後、スマイルズ入社。Soup Stock Tokyoなどの現場で勤務。将来自分の店を持ちたいとの思いから、服部栄養専門学校・夜間部に通い、卒業後、希須林(キスリン)青山に調理師として勤務。友人のために作っていたお弁当が評判となり、東京・西荻窪でお弁当と豚まんの店をはじめる。2020年9月に実店舗「日常軒」をオープン。季節の野菜を主体にしたからだにも心にもやさしいお弁当と豚まんは、幅広い世代から人気を集めている。
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