2020年本屋大賞を受賞した、凪良ゆうさんの『流浪の月』(東京創元社)。2022年5月13日に映画が公開されるのに合わせて、主要キャストのスチール写真を使った全面帯がついた文庫が店頭に並ぶ。
映画『流浪の月』主演は、広瀬すずさんと松坂桃李さん。他にも横浜流星さんや多部未華子さんら、豪華俳優陣が出演する。メガホンを握ったのは、『悪人』『怒り』などの李相日監督。その他製作陣には、撮影監督として『パラサイト 半地下の家族』のホン・ギョンピョさん、美術に『キル・ビル Vol.1』『悪人』の種田陽平さんなど、国境を越えて才能が集まった。
広瀬すずさん演じる家内更紗は、子どもの頃両親と離別し、叔母の家に引き取られた。家に居場所のない更紗は、ある日、公園で松坂桃李さん演じる青年・佐伯文に声をかけられる。更紗は文についていき、文のマンションでしばらく一緒に暮らした。しかし2カ月後、文は誘拐犯として逮捕される。更紗が警察官に抱えられ泣き叫ぶ様子は、居合わせた人たちに撮影され、拡散された。
事件から15年、24歳になった更紗は偶然文と再会する。第三者から見れば、「ロリコンの誘拐犯」と「被害者のかわいそうな女の子」の2人。でも、本当にそれが全てだろうか。言葉で言い表しがたい2人の関係を見事に描き、私たちの価値観を揺さぶる傑作だ。
BOOKウォッチでは、本作の書評を掲載している。原作と映画、両方で作品の世界を味わいたい。
書評はこちら→孤独な二つの魂が出会う物語
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