全国の書店員が一番売りたい本を投票で選ぶ、「2022年本屋大賞」。2022年4月6日、大賞が発表され、逢坂冬馬さんの『同志少女よ、敵を撃て』(早川書房)が受賞した。
本作は逢坂さんのデビュー作。1942年2月、モスクワ郊外の村に住んでいた少女の日常は、急襲したドイツ軍に目の前で母親を殺され、一変する。復讐を誓い、前線に赴く少女。女性狙撃兵には、彼女と同じような境遇の女性たちがいた。発売後すぐに話題沸騰した本作は、ロシアによるウクライナ侵攻でいっそう注目を集めていた。
逢坂さんは、「デビュー作にも関わらず、このような賞をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです」と喜びを表す一方で、現在のウクライナ・ロシアの情勢に触れ、「主人公のセラフィマがいまのロシアを見たら、どういうふうに思っただろうと悲嘆に暮れた」と報道陣に向けて、平和への願いを静かに語った。副賞はロシアで反戦運動のために立ち上がった人たちのために役立てたいという。
また、「読者からの感想で、印象に残っているものは?」という質問には、「主人公のセラフィマと自分と何が違うのか考えた時、生まれた場所と時代だけだと気づいた、いうお便りをいただいた。まさに自分が言いたかったことが、読者の方にメッセージとして届いたことが嬉しかった」と答えた。
逢坂冬馬さんは1985年生まれ、埼玉県在住。明治学院大学国際学部国際学科卒。本作で第11回アガサ・クリスティー賞を受賞し、デビューした。
BOOKウォッチでは、過去に本作の書評を掲載している。
また、翻訳小説部門の大賞は、ソン・ウォンピョンさん、訳者・矢島暁子さんの『三十の反撃』(祥伝社)が受賞。「超発掘本」部門は、吉村昭さんの『破船』(新潮文庫)が受賞した。
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