チョコレートと言えば、ベルギーやスイス、フランスなどヨーロッパのイメージだが、パッケージデザインで見ると、独創的なのはロシアだ。
ソ連時代のロシアでは、「朝のニュースは新聞で。夕方のニュースはチョコレートで。」と言われるほど、チョコレートが身近な存在だったという。パッケージデザインには、歴史やアルファベットから動物学、民話やアニメのシーン、著名な画家の絵画、記念日、社会情勢までが描かれている。
1月19日に発売された『ロシアのチョコレート包み紙─ソ連時代のかわいいデザイン─』(青幻舎)では、1950~80年代を中心としたソ連時代のロシアのチョコレートのパッケージデザインを約300点も収録している。
著者は、奈良のちいさなロシア雑貨店「マールイ・ミール」を営む小我野明子さんだ。現地で出会った、ソ連時代のチョコレートの包み紙を保管している博物館が閉鎖していることを知り、調査を開始。当時のコレクションをロシアのある雑誌社が保管していることを突き止め、編集長イーゴリ・スミレンヌィさんとコンタクトを取った。本書は、そんな情熱にあふれた1冊である。
ロシアでは、19世紀末から20世紀初めにかけて、独創性のあるパッケージデザインが繰り広げられてきたという。そのこだわりはソ連時代にも受け継がれ、企業が国有となった社会の中でも、様々なクリエイターたちが洗練した包み紙を生み出し続けてきた。
掲載されているおよそ300点の包み紙は、まるで小さな芸術作品。表紙も可愛いので、アート好き、チョコ好きな人へのちょっとした贈り物にも喜ばれそう。
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