第166回芥川龍之介賞、第166回直木三十五賞の候補作がそれぞれ発表された。選考会は2022年1月19日に行われ、同日に受賞作が発表される。
各賞の候補作は以下の通り。
第166回芥川龍之介賞候補作
石田夏穂「我が友、スミス」(「すばる」11月号)
九段理江「Schoolgirl」(「文學界」12月号)
島口大樹「オン・ザ・プラネット」(「群像」12月号)
砂川文次「ブラックボックス」(「群像」8月号)
乗代雄介「皆のあらばしり」(「新潮」10月号)
第166回直木三十五賞候補作
逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』(早川書房)
彩瀬まる『新しい星』(文藝春秋)
今村翔吾『塞王の楯』(集英社)
柚月裕子『ミカエルの鼓動』(文藝春秋)
米澤穂信『黒牢城』(KADOKAWA)
各賞の選考に先立ち、BOOKウォッチ編集部は各賞の候補作のなかから注目作を選んだ。
芥川賞候補の注目作は、九段理江「Schoolgirl」(「文學界」12月号)。
「Schoolgirl」は、都内のインターナショナルスクールに通い、社会派YouTuberとして英語で動画を配信している14歳の娘と、その母であり、夫の収入で何不自由なく暮らす専業主婦「私」の物語。社会問題に疎く、小説好きの「私」のことを、娘は「空っぽ」「かわいそうな人」と言って憚らない。
そんな娘の配信動画を見ている「私」。初めて日本語配信した画像で娘は、「私」の本棚から見つけた太宰治「女生徒」について語りだす――。Z世代を描く令和版「女生徒」。
著者の九段理江さんは1990年生まれ。2021年に「悪い音楽」で第126回文學界新人賞を受賞した。「Schoolgirl」は文學界新人賞受賞後第一作だ。
直木賞候補の注目作は、彩瀬まる『新しい星』。生後2ヶ月の娘を亡くし、優しい夫とも離婚した青子(表題作「新しい星」)。「普通」の幸せから転げ落ち、理不尽のなかでもがく人々を描いた連作短編集だ。
著者の彩瀬まるさんは1986年生まれ。2013年『あのひとは蜘蛛を潰せない』で小説家デビューした。2017年刊『くちなし』で、第158回直木賞候補となり、第5回高校生直木賞を受賞した。
どの作品が選ばれるのか。受賞作は1月19日午後に発表予定だ。
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