樹木希林さんが主演を務め、映画化された森下典子さんのエッセイ『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』(新潮文庫)がアマゾンのKindle Unlimitedで読み放題対象作品になった。Kindle Unlimitedユーザーであれば無料で読むことができる。
本書は、著者である作家の森下典子さんが若き日の中で就職活動に難儀し、フリーライターとして不安定な日々を送るところから始まる。そこから25年、平和な日も、後ろ向きな日も、気が付けば彼女のそばには「お茶」があった。茶道と自分の人生を重ね合わせ、「お茶が教えてくれた15のしあわせ」としてまとめたエッセイ集となっている。やわらかなエッセイ集のようでいて、哲学的な気づきが散りばめられている点が魅力のひとつだ。
「世の中には、『すぐわかるもの』と、『すぐわからないもの』の二種類がある」
「茶道は『人を型にはめるがんじらめの世界』だと思っていたのに、実はすべてが自由だったのだ」
「お茶は、どんな解釈をも許容する。ならば、私の見方もまた、1つの茶の世界なのだ」
季節を五感で味わう歓びとともに、「ここにいるだけで良い」「いま、生きている!」という感動を鮮やかに綴り、60万部を超える大ヒットとなった。
森下さんが得た「15のしあわせ」を本書で確認してほしい。
2018年に大森立嗣さん監督作品として映画化された際には、公開2カ月で観客動員数が100万人を超える超話題作となった。樹木希林さんの他にも、黒木華さん、多部未華子さん、鶴田真由さん、鶴見辰吾さんが出演、「日日是好日」の世界観が丁寧に表現されている。
■関連動画:映画『日日是好日』予告編また映画の制作スタッフの中に、茶道の経験者がいなかったため、森下さんご本人が茶道の指導スタッフとして映画づくりの参加した。そんな日々を描いた『青嵐の庭にすわる 「日日是好日」物語』(文藝春秋刊)も併せて読んでおきたい。
さらに本書は、10月に逝去された柳家小三治さんが「感動の読了だった。この感動を誰かに伝えたい。いても立ってもいられなくなった」と語った解説も収録している。日本のみならずフランス、フィンランド、韓国、イタリア、オーストラリア、イギリスでも翻訳された本作を、この機会に読んでおきたい。
最後に、本書「まえがき」の終わりの一文を紹介したい。
生きにくい時代を生きる時、真っ暗闇の中で自分を見失った時、お茶は教えてくれる。
「長い目で、今を生きろ」と。
■森下典子さんプロフィール
1956(昭和31)年、神奈川県生れ。日本女子大学文学部国文学科卒業。「週刊朝日」の人気コラム「デキゴトロジー」の取材記者を経て、エッセイストとして活躍。2018(平成30)年、ロングセラー『日日是好日』が映画化される。同年、続編となる『好日日記』、'20年、『好日絵巻』を出版。他に『猫といっしょにいるだけで』『前世への冒険』『いとしいたべもの』『こいしいたべもの』などの著書がある。最新刊は『青嵐の庭にすわる 「日日是好日」物語』。
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