本を知る。本で知る。

産婦人科医・高尾美穂が悩める女性たちへ贈る「心とからだのお守り本」

心が揺れがちな時代に「私は私」で生きるには

 「『人と比べてしまう自分』が嫌な人へ」「イライラする自分にできること」「結婚ってしなきゃいけない?」「子どもを持つ人生も、持たない人生も」......。

 産婦人科医・高尾美穂さんの著書『心が揺れがちな時代に「私は私」で生きるには』(日経BP)が本日刊行された。「女性たちの気持ちに寄り添う人気絶大の産婦人科医が贈る心とからだのお守り本」と帯にある。

 本書は、音声プラットフォーム「stand.fm」で420万回以上再生されている人気コンテンツ「高尾美穂からのリアルボイス」を書籍化したもの。

 「高尾美穂からのリアルボイス」は、ほぼ毎日、時間帯は不定期で配信。自己実現、人間関係、性......さまざまな悩みに答え、「日々をより良く生きる」ための話を届けている。「高尾先生の言葉に癒やされる」との声が続出。

 「この本には、楽に生きるための考え方や、安定した心の保ち方、生活上の工夫に至るまで、私たちの人生をよりよいものに変えていくヒントを詰め込みました」(本書「はじめに」より)

人生を、望む時間に

 高尾さんは医師として20年余り、1年365日のうち、休みが2日程度しかない日常を過ごしてきたという。ところが昨年、緊急事態宣言により勤務先が営業自粛を決定。「人生初の空白の時間」が訪れた。

 「自宅で過ごす時間を、どうしたらこれからの自分にとって意味のあるものにできるかを考えたとき、このレアな経験の記録を残したいと思ったわけです」(本書「はじめに」より)

 そこで始めたのが「stand.fm」での音声配信だった。いつしか高尾さんにとっても楽しみのひとつとなり、自粛が明けても中断する気にはならなかったという。

 産婦人科医として、そしてリアルボイスを通して知ったこと。それは「いろんな葛藤を抱えながらどうしたら前に進めるのか」という、人々の「悩みの深さ」だった。

 「共通して伝えられるアドバイスがあります。それは、『私たちは自分の人生をどんな時間にしていくか、本来は自分で決められるはず』ということです。(中略)自分の人生を、自分らしい、自分が望む時間に仕立て上げることができるのは、自分以外にいません」(本書「はじめに」より)

言葉がくれるメッセージ

 本書の構成は以下のとおり。このほか、いじめ、友人の死、結婚......知られざる半生を綴ったエッセイも収録。

■目次
 Chapter1   「私らしい私」をつくるには?
 Chapter2   つらい気持ち、不安とどう向き合う?
 Chapter3   こんなコミュニケーションが望ましい
 Chapter4   女性の体について知ってほしいこと
 Chapter5   人には聞けない性の悩みに答える
 Chapter6   これからの家族とパートナーシップのあり方
 Chapter7   人生とキャリアの歩み方
 Chapter8   私が人生でしていきたいこと
 Chapter9   高尾美穂から「妹たちへ」

 ここでは「高尾美穂からのリアルボイス」から、「#838 『大丈夫』と言える自分でいたい」を抜粋して紹介しよう。

 昨年1月、高尾さんは1年の目標として「大丈夫」を掲げた。その頃はまだコロナの気配すらなく、特段変わった正月ではなかったが、なぜ「大丈夫」を選んだのか。

 「自分自身が、まずは、大丈夫。自分で大丈夫って思えるような状態をキープしたい。そして、人にも、『大丈夫だよ』って言えるような自分でいたい」(「高尾美穂からのリアルボイス」より)

 先日亡くなった瀬戸内寂聴さんが「大丈夫」という言葉がけを多くの人々にしていたことを知り、高尾さんは寂聴さんとの「つながり」を感じたという。

 「その言葉を聞いただけで、少し、自分の芯というものが、少しだけ太くなるような心持ちになったことも、みなさんあるんじゃないかな(中略)言葉がくれる、私たちへのメッセージっていうのは本当に、ありがたいもの」(「高尾美穂からのリアルボイス」より)

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 音声は、話し手と聞き手の距離がぐんと縮まる感じがする。紙の本は、一字一句がより自分にしみこむ感じがする。音声と活字、それぞれの魅力を味わってほしい。

 「私の『リアルボイス』を、乾いた社会におけるオアシスのように感じてくださる方が増え、文字で読みたいという声をたくさん頂くなかで、日経WOMANの藤川さんから書籍化のオファーを頂きました。音声によるSNSという形のないものが、本というアナログで形あるものに姿を変えたミラクルを、とても嬉しく思っています」(本書プレスリリースより)

■高尾美穂さんプロフィール

 医学博士・産婦人科専門医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。愛知県生まれ。東京慈恵会医科大学大学院修了後、同大学附属病院産婦人科助教、東京労災病院女性総合外来などを経て、2013年から「イーク表参道」副院長を務める。婦人科外来に携わるほか、スポーツ庁国立スポーツ科学センター女性アスリート育成・支援プロジェクトのメンバーとして、女性アスリートのサポートも行う。ヨガの指導者資格も持つ。女性の健康で幸せな人生と前向きな選択を後押しすることをライフワークとし、テレビや雑誌などさまざまなメディアで注目され、幅広い年代の女性たちから絶大な支持を集める。


※画像提供:stand.fm


 
  • 書名 心が揺れがちな時代に「私は私」で生きるには
  • 監修・編集・著者名高尾 美穂 著
  • 出版社名日経BP
  • 出版年月日2021年11月18日
  • 定価1,760円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・408ページ
  • ISBN9784296111060

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