阿部智里さんの「八咫烏(やたがらす)シリーズ」は、累計160万部を超える大ヒットを達成した異世界ファンタジー。「八咫烏シリーズ」外伝第2弾となる『烏百花 白百合の章』(文藝春秋)が4月26日に発売された。
「忘れることなどできようか――」。人気キャラクターたちの秘められた過去や、知られざる思い。本編では描かれることのなかった珠玉の8編を収録している。
日本神話にも登場する3本足の伝説の烏・八咫烏。「八咫烏シリーズ」は、人間の姿に変身することが出来る八咫烏の一族が、異世界・山内(やまうち)を縦横無尽に飛びまわる異世界ファンタジー。
著者の阿部智里さんは、『烏に単は似合わない』で史上最年少の20歳で松本清張賞を受賞し、デビュー。「八咫烏シリーズ」は『烏に単は似合わない』『烏は主を選ばない』『黄金の烏』『空棺の烏』『玉依姫』『弥栄の烏』までの6巻で第1部が完結。
平安王朝風のみやびな風俗と、日嗣の皇子・若宮と側仕えの少年・雪哉を中心とした魅力的なキャラクターたち、周到に仕掛けられた謎、天敵・大猿とのバトルなど、日本神話に通じる壮大な世界観が話題を呼び、ミリオンセラーを達成。2020年9月、満を持した3年ぶりの書下ろし『楽園の烏』で第2部がスタートした。
本書は「八咫烏シリーズ」外伝第1弾『烏百花 蛍の章』(2018年)に続く、外伝第2弾となる。
『烏百花 白百合の章』収録作品
かれのおとない(『楽園の烏』、文庫版『烏百花 蛍の章』購入特典)
ふゆのことら(「オール讀物」2019年1月号)
ちはやのだんまり(「オール讀物」2020年6月号)
あきのあやぎぬ(「オール讀物」2018年6月号)
おにびさく(「オール讀物」2021年1月号)
なつのゆうばえ(「オール讀物」2019年6月号)
はるのとこやみ(「オール讀物」2020年1月号)
きんかんをにる(書下ろし)
※括弧内は初出情報
著者は本書について「3年ぶりの短編集です! 再録の順番にはいつも頭を悩ませていますが、第2部第2巻発売前の刊行ということで、山内のありし日を偲ぶ本として構成しました」とコメントしている。
また、文藝春秋の「八咫烏シリーズ」特設サイトで公開されている著者インタビューでは、単行本化にあたり苦心したこと、本作でこだわったことなども語っている。
「私は構成にはちょっとだけこだわりがありまして、すでに出来上がった短篇であっても、一冊の本として世に出すからには一番いい形にしたいという思いがありました。読者の方に最大限八咫烏シリーズを楽しんでいただけるよう、いっぱい提供の順番を考えましたので、多くの皆さまにご堪能いただければ嬉しいです」
本書の刊行までは「きわめて順調」とはいかなかったそうだ。締め切りを過ぎてから1ケ月ほどさらに粘ったという。
本編では描かれることのなかった、主要キャラクターたちの過去や恋模様が明らかになる外伝は「八咫烏」ファン必読! 著者が「〆切ぶっちぎってこだわりました!!」という本書をぜひチェックしてほしい。
■阿部智里さんプロフィール
1991年群馬県前橋市生まれ。2010年早稲田大学文化構想学部に入学。12年『烏に単は似合わない』が史上最年少の20歳で松本清張賞を受賞。17年早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。デビュー作から続く「八咫烏シリーズ」は、現在第2部へ突入。19年『発現』(NHK出版)刊行。松崎夏未さんが『烏に単は似合わない』をWEB&アプリ「コミックDAYS」(講談社)で漫画連載、2020年6月全4巻が完結。8月下旬より「イブニング」誌(講談社)で『烏は主を選ばない』が松崎さんにより連載開始。現在、中台露ほかで翻訳進行中。
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