第20回「女による女のためのR-18文学賞」の選考結果が4月12日発表され、宮島未奈さん(応募時ペンネーム:宮島ムーさんから改名)の『ありがとう西武大津店』が大賞、読者賞、友近賞を受賞した。3冠受賞は同賞の創設以来、初めて。
『ありがとう西武大津店』は、昨年閉店した実在の百貨店「西武大津店」を舞台に、女子中学生らのひと夏の青春を描いた作品。あらすじは以下の通り。
中学生のわたし、島崎みゆきには、成瀬という少し変わった幼なじみがいる。成瀬は、「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」と、閉店が決まった西武大津店に毎日通い、ローカルテレビ局が夕方放送するカウントダウン中継に映る「思い出作り」を始める。島崎も巻き込まれていくが、最後の日、成瀬が店に行けなくなり......。
同作を推した選考委員の三浦しをんさんは、その理由を「リズムのある文章でとても楽しかったから」とし、何の変哲もない夏のようでいて、「しょうもなさの陰に、実は切なさや『いま』が刻印されている」点が優れていると評した。
同じく選考委員を務める辻村深月さんは、同作を候補作の中で唯一『完成されている』作品とし、「中学生の日々は常に、自分に「何もない」ことと格闘する日々であること」に気づかされたと述べた。
受賞にあたり、作者の宮島さんは「皆様からいただいたエールを胸に、粘り強く書き続けていきたい」と意気込みを語っている。
受賞作、受賞のことば、選考委員による選評は、4月22日発売の「小説新潮」5月号(新潮社)に掲載されている。
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