読むべき本、見逃していない?

50代半ば。母の死と、猫との出会い。珠玉のエッセイ集

命とられるわけじゃない

   私たちの心に響く様々な恋愛小説を描いてきた村山由佳さん。そんな村山さんの最新作エッセイが発売された。テーマは「猫」。

   2021年3月26日発売の『命とられるわけじゃない』(ホーム社)。本作は、愛猫の「もみじ」との最後の1年が綴られた『猫がいなけりゃ息もできない』に続くエッセイ集だ。

   最愛の猫の「もみじ」を看取ってから1年後の平成最後の春の話。確執の深かった母を亡くした著者は葬儀で1匹の猫と出会う。

   50代半ば、喪失からの再生を描く。今がしんどい人、老いゆく心身に向き合う人、大切なものを失った人、親との関係に悩む人、そして猫を愛するすべての人に贈る一冊だ。

「〈後悔〉と〈愛惜〉とは別のものだ」
「愛情は、限られた食糧ではない」
「譲れないことも、許せないことも、人生に一つか二つあれば充分」
「どれほどしんどく思えても、生きてゆく途上で起こるたいていのことは、そう──とりあえず、〈命とられるわけじゃない〉のだ」

   猫と亡き父に教わったうまくあきらめて楽に生きる知恵。優しいフレーズが随所にちりばめられている。

   また、前作『猫がいなけりゃ息もできない』の「あとがき、てなに──もみじの言いぶん」に続き、本作にも「あとがき」に代わる猫視点の掌編を収録。村山家の最長老猫となったメインクーンの「銀次」が、「かーちゃん」と家族について14ページにわたって語る。こちらも楽しみだ。

   本書の目次は以下の通り。

 はじめに
1 雪も桜も舞い落ちて
 心の穴ぼこ/長い散歩/三度目の/春にゆく/生活の実感/対面
2 別れが出会いを連れてくる
 再会/もの言う瞳/なつかしい重み/お願い/神さま/うちの子に/命名/もみじのおかげ/もみじのしわざ
3 偶然という名の
 説明のつかないこと/〈後悔〉と〈愛惜〉/愛情は限られた食糧ではない/執筆と庭いじりと/平成最後の日
4 人の子のかわりでなく
 令和最初の日/難産/二匹目/三匹目/きっと、いたずら/再び、命名/母性神話と猫
5 愛を注ぐ器
 「ま、ええではナイカ」/生きものとの契約/命とられるわけじゃない
 おわりに──銀次の言いぶん
 本書に登場した猫たち

   恋愛小説家の村山由佳さんの別の一面が猫とともに綴られる1冊。ファンの方は手にしてみてはいかがだろうか。


※画像提供:ホーム社

  • 書名 命とられるわけじゃない
  • 監修・編集・著者名村山 由佳 著
  • 出版社名ホーム社
  • 出版年月日2021年3月26日
  • 定価1,650円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・240ページ
  • ISBN9784834253450

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