共働きワンオペ妻の日常はハードだ。
保育園のお迎えの時間までに仕事を切り上げ、迎えに行き、子どもを連れて食材の買い出し、献立決め、調理、盛り付け。これら「メイン作業」の合間に保育士さんやママ友との情報共有&世間話、帰り道に駄々をこねる子どもをなだめすかし、「ママ見て見て~!」という声に付き合い......という細かな作業も日課に含まれる。
帰宅したらすぐに靴下を脱がせ手を洗わせて(ハンドソープ使って! うがいも!というのがコロナで加わった)、タブレットで献立を検索(しているはずがゲームにはまって我に返り)、食事をさせ、風呂に入れて体ふいて保湿して、パジャマを着せて歯磨きをさせ、「寝ろ寝ろ寝ろ~」と呪文を唱え......(洗濯物をたたむとか食器を片づけるとか、そんなことはもちろん全部「デザート」だ)。
......と、ここまでやって、ようやく夫が帰宅。
パートや時短勤務で夫より稼ぎが少ないのだから仕方がない。そう自分を納得させても、つい思ってしまう。
「パパはいいな~。仕事だけしてればよくて」
エムディエヌコーポレーションの新刊『大黒柱妻の日常 共働きワンオペ妻が、夫と役割交替してみたら?』は、ワンオペを経験している妻なら共感MAXの共働き漫画だ。
著者は、『母がしんどい』(KADOKAWA/中経出版)『キレる私をやめたい!』(竹書房)、『男社会がしんどい』など、自らの体験を描いた数々のコミックエッセイで多くの女性の共感を得てきた田房永子さん。本作では初めて架空の人物を主人公としたフィクション作品に挑戦した。
主人公の丸山ふさ子は40歳のフリーランスのデザイナー。41歳の夫トシハルと、小学2年生の長女花ちゃん、保育園の年少の長男りっくんの4人家族だ。出産後、ワンオペで育児を担当してきたが、ある日夫の転職を機に、家計の7割を担う「大黒柱妻」になる。封印してきた仕事欲を爆発させていくうちに、自分が絶対になりたくないと思っていた「昭和のお父さん」になっていくことに気づく――。
架空の人物にしては、リアリティがありすぎる。著者本人の経験も、少なからず反映されているのではないだろうか。
コロナ禍で夫が在宅勤務になり、パートの妻は「エッセンシャルワーカー」で外へ働きに出る、という家庭も増えている。「女性が家事育児をする」が前提の社会が変わりつつある今、最適解はどこにあるのか。ふさ子とトシハルのドタバタぶりに「あるある~」と笑いながら、ちょっぴり考えさせられる一冊。
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