新型コロナウィルスが猛威を振るう今、未知の病をどうすれば克服できるのか、私たちは試練の時を迎えている。一方で、過去を振り返れば、日本人は様々な病気に悩まされてきた。人々はどのように戦ってきたのだろうか。
2021年2月1日『幕末からコロナ禍まで 病気の日本近代史』(小学館)が発売された。本書は、同名の単行本(2011年刊)に新型コロナに関する新章などを大幅に加筆した決定版だ。
政治史や軍事史を中心に研究・執筆を重ねてきた現代史家の秦 郁彦さんが、医学史をひも解き、その時、人々が病とどのように向き合い、克服してきたのかを解説している。下記が本書で取り扱う内容の一部だ。身近なトピックも多い。
盲腸炎――切るか? 散らすか?
庶民から天皇までなぜ日本人は脚気に悩まされたのか?
あばたもえくぼの〝あばた〟とは?
昭和18年の死因第1位(17万人余)は?
戦死より戦病死が多かった?
明暗を分けた日米マラリア戦
精神障害歴を報じられた著名人
受動喫煙と肺がんの関連性に疑問符
コロナとの戦いのなかで見えてきた争点
本書は、医学の研究書とは異なり、歴史家の視点から「難病の制圧をめざす国家的な総力戦」の過程を検証しつつ、「人間の生死をめぐって運と不運、喜びと悲しみが交錯するドラマ」を描きだしていく。
また、本書の目次は以下の通りだ。
〈目次〉
第一章 黎明期の外科手術
第二章 脚気論争と森鴎外
第三章 伝染病との戦い
第四章 結核との長期戦
第五章 戦病の大量死とマラリア
第六章 狂聖たちの列伝
第七章 肺がんとタバコ
第八章 新型コロナ禍の春秋
巻末付表
あとがき
新書版あとがき
脚気やスペイン風邪などの伝染病、結核やマラリアなど、これまで多くの病気に悩まされてきた日本人。歴史を学ぶことで、現在直面している危機へのヒントが見つかるかもしれない。
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