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「芸能界の薬物」「憲法九条」 爆笑問題・太田光の忖度なしコラム集

 「芸能界の薬物」「憲法九条」――。爆笑問題・太田光さんが様々なテーマを忖度なしで論じるコラム集『芸人人語』(朝日新聞出版)が、12月18日、発売された。

写真は、『芸人人語』(朝日新聞出版)
写真は、『芸人人語』(朝日新聞出版)

 本書は、朝日新聞出版のPR誌「一冊の本」の人気連載、爆笑問題・太田光さんによる「芸人人語」を一冊にまとめたもの。「芸能界の薬物」「大衆とテレビ」といった芸能界にかかわることから、「女帝とコロナ」「菅首相誕生」といった時事問題まで、幅広い分野を太田さんならではの角度から論じている。

 たとえば、「表現」というテーマのコラムでは、太田さんは次のように指摘する。

「私自身は、今自分が思春期の少年だったら、とても耐えられないだろうと想像するのは、ネットに氾濫する悪意を込めた『言葉』だ。不用意に発せられる言葉は、発した人間が思っている以上に相手と自分を傷つける。『言霊』だ。肉体的な暴力とは別に、心がどれほどの傷を負ったかは、目に見えたり数値化出来たりするものではない」(「五 芸人」より)

 ネット上での誹謗中傷問題について、鋭く指摘した一節だ。

 かなりセンシティブな話題も扱っている。「闘う政治家」というテーマのコラムでは、憲法九条について、次のように論じる。

「『憲法九条』は『青年の理想論』であり、日本という国の『現実』とはかけ離れていると思っている。私はこうしたこの国の『自己矛盾』を『面白い』と思っていて、『解釈変更』で誤魔化してきた戦後の日本を『悪くない』と思っている」(「十九 闘う政治家」より)

 こうした忖度なしの内容は、本家である朝日新聞の一面コラム「天声人語」よりも切れ味鋭いといわれるほど。本書を読めば、現代社会に対する新たな見方が見つかるかもしれない。



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