『白崎茶会の癒しのスープ』(NHK出版)が、2020年12月16日に発売される。予約の取れない料理教室「白崎茶会」のエッセンスを味わえる「スープ」のレシピ本だ。
本書に収録されているのは、植物性の極上だし、昆布水としいたけ水をベースに作る、やさしさと力強さを兼ね備えたスープである。スープの素はもちろん、肉を使ったスープストックなども一切使わない。
一年中おすすめな「ときしらず」のスープから、旬の食材を生かした四季折々のスープまで。オーガニックな食材はもちろん、身近な普通の食材で作っても、今までにはない深みを感じさせてくれる、新しいスープの味に出合えるだろう。
さらに、それぞれのスープに合う「おすすめのひとしな」のレシピも紹介されている。
著者であり、「白崎茶会」を主宰する白崎裕子さんは、本書の「はじめに」で次のように述べている。
「炒めた野菜に塩をしっかりふってしばらくおくと、水分がたっぷり出てきます。
その水分には、野菜のうまみがたっぷり出ているのですが、同じくらいアクも入っていますから、それを抜くために汲みたての水をザーッと勢いよく入れて煮立たせます。酸素が加わって浮き上がってきたアクをすくい取れば、野菜のうまみだけが残り、雑味のない、おいしいスープになるわけです。
シンプルなスープは、その野菜がもっている味や、昆布水の濃さ、選ぶ塩などで味が変わります。二度と同じ味にならないので、飽きることがありません。
野菜が少ししかなくても、スープならみんなで分かち合えますし、同じ野菜ばかり山のようにあるときも、みるみるかさが減って、おなかにおさまります。
冷え込む朝には、アツアツのスープが何よりのごちそうですし、汗をたくさんかいた日には、ちょっと塩味のきいた冷たいスープを飲むと生き返るようです。
寒い夜にひとり、力をなくしたように感じるときは、少し時間がかかるスープをつくりましょう。コトコトと煮える鍋の音や立ちこめるやさしい湯気に安らぎを感じて、『煮上がる前に、あれとこれをやってしまおう』ときっと元気が出てきます。
そして、『時間が与えてくれるおいしさ』に驚くことでしょう。海塩と昆布と野菜だけなのに、どうしてこんな香りになって、どうしてこんなにほっとする味になるのか。
スープを飲むということは、季節の食材と、少しのきれいな海水を体内に入れるということですから、とっても原始的で、本能的なことなのかもしれません。
この本のスープを飲んで体の芯から癒され、ぐっすり眠れる人が増えることを願っています。
スープが煮えるのを待ちながら
白崎裕子」
時短レシピとはまた違う、「時間が与えてくれるおいしさ」の詰まったスープがあれば、明日もなんとかやっていこうと思えそうだ。
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