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「いちばん長く刑務所に入れる」犯罪って? 孤独死したくない主人公は...

 「刑務所に入りたい!」

 こんなことを願う小説の主人公が、かつていただろうか。

画像は、『一橋桐子(76)の犯罪日記』(徳間書店)
画像は、『一橋桐子(76)の犯罪日記』(徳間書店)

 2020年11月10日に発売された小説『一橋桐子(76)の犯罪日記』(徳間書店)は、主人公の桐子が、「いちばん長く刑務所に入れる」犯罪計画をあれこれ考えるという、驚きのストーリーだ。

 老親の面倒を見てきた桐子は、気づけば結婚もせず76歳になっていた。両親を看取り、わずかな年金と清掃のパートで細々と生活しているものの、貯金はない。同居していた親友のトモは、病気で先に逝ってしまった。唯一の家族であり親友だったのに......このままでは、孤独死して人に迷惑をかけてしまう......。

 絶望を抱えながら過ごしていたある日、テレビで驚きの映像が目に入る。収容された高齢受刑者が、刑務所で介護されていたのだ。「これだ!」と光明を見出した桐子は、「長く刑務所に入っていられる犯罪」を模索し始め......。

 本書の目次は、以下の通り。

第一章 万引
第二章 偽札
第三章 闇金
第四章 詐欺
第五章 誘拐
第六章 殺人

 話題作を連発し、注目を浴びている著者の原田ひ香さんは、次のようにコメントしている。

「テレビや雑誌で、凄惨な事件や驚愕の出来事などを見るのが苦手です。
 しばらく、そのことばかり考えて何も手につかなくなったり、眠れなくなったりします。
 そんな時は事件の当事者の、いったいどこに分岐点があったのか、どこでどうすれば事件に巻き込まれなかったのか答えが出るまで考えてしまいます。
 残念ながら、答えが見つからないこともしばしばです。桐子さんは小さな幸せから放り出されました。彼女が事件に巻き込まれないように一緒に考えてはくださいませんでしょうか。共に、はらはらしてくださったら幸いです」

 はたして、桐子は刑務所へ入ってしまうのだろうか。はらはらしながら彼女の行く末を見届けよう。


 

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