直木賞作家・白石一文さんの極上エンターテインメント小説『一億円のさようなら』が、徳間書店からこのほど文庫化された。9月下旬からはNHKのドラマも始まる。
2018年に刊行され、「これで直木賞を取りたかった。ぼくは、この作品にまるまる2年間費やした。もうこれ以上おもしろい物語は書けないかもしれない」と言わしめた作品。
博多の中堅化学メーカーに勤める加能鉄平は、ある日、妻夏代の秘密を知る。30年前、夏代は伯母の巨額の遺産を相続、それは今日まで手つかずのまま銀行にあるというのだ。その額、48億円。結婚して20年。なぜ妻はひた隠しにしていたのか。
日常が静かに狂いだす。 続々と明らかになる家族のヒミツ。 爆発事故に端を発する社内抗争...。 妻は夫に一億円を渡し、自由に使ってもいいと言う。誰も信じられなくなった鉄平は、人生を取り戻すための大きな決断をする。
鉄平はなんの縁もない北陸・金沢で一人暮らしを始める。地元の人たちとの出会いから新しい事業が軌道に乗る。金沢の街と地元の食材を生かした食べ物が魅力的に描かれる。人生の黄昏が見え始めた、多くの五十男の夢と願望が凝縮されたような作品だ。
本書を原作にしたドラマ「一億円のさようなら」が、NHKBSプレミアムで9月27日からスタートする。連続8回で、上川隆也、松村北斗(SixTONES)、森田望智、安田成美ほかの出演。ドラマでは主人公は故郷へ帰るという設定のようだ。
BOOKウォッチでは、『一億円のさようなら』のほか、白石さんの自伝的作品『君がいないと小説は書けない』(新潮社)、女性を主人公にしたロングセラー『私という運命について』(角川文庫)を紹介済みだ。
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