白石一文の『私という運命について』は、2005年に株式会社KADOKAWAより単行本として刊行され、08年に文庫化された。本書は累計30万部となり、ロングセラーを記録している。500ページの大長編であり、かつ著者の巧みな表現力が冴えわたり、たいへん読み応えがある。特に20~40代の女性の方に、ぜひ手にとってほしい1冊。
主人公・亜紀は、1986年施行の「男女雇用機会均等法」に基づく女性総合職第一期生として、大手メーカーの営業部に総合職として勤務する。亜紀は、2年前に別れを告げた元恋人・康と後輩の結婚式の招待状を受け取り、出欠の返事を出しかねていた。結婚式に出席するには、康と別れた当時、康の母・佐智子からもらった手紙を読み終えなくてはと亜紀は考え、途中まで読んでしまい込んでいた手紙を再び開く。
「選べなかった未来、選ばなかった未来はどこにもないのです。未来など何一つ決まってはいません。しかし、だからこそ、私たち女性にとって一つ一つの選択が運命なのです。女性は運命を紡ぎながら生きていくのです。あなたを一目見た瞬間、私には、私からあなたへとつづく運命がはっきりと見えました」
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