BOOKウォッチで紹介済みの『ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録』(朝日新聞出版)がこのほど4刷になった。7月に第 42 回「講談社本田靖春ノンフィクション賞」を受賞している。
同書は2020年2月刊。東京新聞の連載記事「ふくしま作業員日誌」(2011年8月~19年10月)をもとにしたもので、厳しい情報統制をかいくぐり、現場の作業員たちの肉声を丁寧に集めている。
著者の片山夏子さんは中日新聞東京本社(「東京新聞」)の記者。大学卒業後、化粧品会社の営業、ニートを経て、埼玉新聞で主に埼玉県警担当。出生前診断の連載「いのち生まれる時に」でファルマシア・アップジョン医学記事賞の特別賞を受賞した。その後、中日新聞に移り、東京社会部遊軍、警視庁を担当。特別報道部では修復腎(病気腎)移植など臓器移植問題も担当してきた。3月に原発作業員報道で「むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞」の第2回大賞も受賞している。
片山さんは渾身の長期取材で作業員の信頼を得ていたが、原発事故から8年目に大量に出血、喉頭がんの診断を受けた。その後、回復したという。
東京新聞の女性記者というと、安倍官邸と対決する望月衣塑子さんが有名だが、本書は望月さんとは違う形で、粘り強く闘っている東京新聞のもう一人の女性記者の記録でもある。
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