2020年7月15日、直木賞を7回目のノミネートで受賞した馳星周氏は、北海道の浦河町からリモートで記者会見を行った。
浦河町で生まれ育ったが、40年ほど離れていたという。去年から夏の数カ月を過ごすようになり、今回は同町で関係者と待機しながら知らせを待った。7回目の候補での受賞にも淡々とした表情。
受賞作の『少年と犬』(文藝春秋)には、東日本大震災や熊本地震が登場する。「自然災害が日常的になったのは、僕たちの暮らし方に起因しているのでは」と問題意識を語った。
犬が主人公とも言える短編連作集だ。「動物を出すのはズルいと分かっているが、書きたかったので許してほしい」とも。人間だけでは悲惨になるが、「動物がいることで救いが出る」と話した。
馳氏と言えば、23年前のデビュー作で初めて直木賞候補となった『不夜城』のイメージが強い。「ノワール(暗黒小説)しか書かないと思っていた時期もあったが、こだわりがなくなった。書きたいものを書く」と言い切った。
「ノワールでもそうでないものでも、すべて馳の作品。本質は変わらない」と最後に自負を語った。
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