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芥川賞受賞の高山羽根子氏と遠野遥氏が会見

 2020年7月15日、芥川賞を受賞した高山羽根子氏と遠野遥氏がそろって、東京・帝国ホテルで記者会見した。

写真は、芥川賞を受賞した遠野遥氏(左)と高山羽根子氏(右)(撮影:BOOKウォッチ編集部)

「沖縄の縁に感謝」と高山羽根子氏

 最初に3回目のノミネートで受賞した高山氏が登壇。「もう少し書いて大丈夫と思えることで、ほっとした」と受賞の喜びを語った。

 作品「首里の馬」の舞台は沖縄の那覇市。数年前から沖縄に行くことがあり、「行かせて頂いたご縁を含めて、創作させて頂いた」と感謝の言葉を語った。執筆中に首里城が炎上する惨事があった。「アクチュアルな出来事なので、ちゃんと作品を仕上げないといけない」と思ったという。

 大の野球好きで、「別のプレーボールがかかった感じ」とも。ここ数年で東京のあちこちの風景がすごく変わっているので、それを書かなければならない、と次のモチーフについても明らかにした。

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写真は、芥川賞を受賞した高山羽根子氏(撮影:BOOKウォッチ編集部)

絵と小説の両方を

 高山氏は多摩美術大学美術学部絵画学科の出身。「字で書ききれないことを絵で描き、絵で描ききれないことを字で書いてきた」と話す。絵と小説のどちらも進めていきたい、と抱負を語った。


「驚いたまま」と遠野氏

 続いて登壇した遠野氏は「まだ驚いたまま。緊張して状況に追いついていない」と戸惑い気味。昨年文藝賞を受賞、その第一作で芥川賞を受賞した。

 受賞作の「破局」は、肉体的にも知的にも優れた大学生の主人公が、二人の女性を行き来する物語。「変なキャラクターにしないと思っていたが、共感できないと言われた。もう少し親しみを持ってほしい」と本音を語った。母校の慶応義塾大学を舞台にしたのは「その大学が一番書きやすいから」とクールに答えた。

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写真は、芥川賞を受賞した遠野遥氏(撮影:BOOKウォッチ編集部)

早く3作目を

 遠野氏は受賞作が小説2作目。「この作品が皆に好かれるようなものと思っていなかったので、歴史ある賞をもらって意外。早く3作目を書きたい」と結んだ。

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