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第19回 『このミステリーがすごい!』大賞に新川帆立氏の『元彼の遺言状』

 第19回 『このミステリーがすごい!』大賞(宝島社主催)に新川帆立氏の『元彼の遺言状』が決まった。宝島社が10月1日(2020年)発表した。また文庫グランプリ(従来の優秀賞より名称を変更)には亀野仁氏『暗黒自治区』、平居紀一氏『甘美なる作戦(仮題)』の2作が選ばれた。

大賞受賞者は東大卒29歳の女性弁護士

 新川氏は1991年生まれ。アメリカ・テキサス州出身、宮崎県宮崎市育ち。東京大学法学部卒業の弁護士。司法修習中に最高位戦日本プロ麻雀協会のプロテストに合格しプロ雀士としても活動した経験がある。

写真は、第19回 『このミステリーがすごい!』大賞に選ばれた新川帆立さん(写真提供:宝島社)

 大賞受賞作の『元彼の遺言状』は、大手製薬会社の御曹司が「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という遺言を残して死亡。元カノの女性弁護士がその真意を解き明かすというストーリー。

 選考委員の一人、大森望さんは、「ぶっ飛んだ設定の面白さに加えて、テンポのよさと意外性のあるプロットの魅力が光る。強烈にキャラの立った女性弁護士もの。「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という前代未聞の遺言状のため「犯人選考会」が開催される、とツカミはたいへん強力。」と選評を寄せている。

女性の活躍願って書いた

 新川氏は「『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラが好きです。スカーレットみたいに強くて癖のある女の子を描きたいと思って話を考えました。他の短編を書きながら、ちょろちょろとプロットを考えるのに数ヶ月かかり、原稿に着手してからは3週間弱で書きました」と執筆のきっかけを明かしている。

 「今回の受賞作は、女性が力強く活躍できる社会を願って、女性のために書きました。世の中つらいことも多いですが、本の世界にいる数時間だけでも、型破りな主人公と一緒になって、笑ってもらえるといいなと思います。もちろん、女性以外の読者も大歓迎です」と話している。

 同作品は2021年1月8日刊行予定。

文庫グランプリに2作品

 また文庫グランプリに選ばれた亀野仁氏の『暗黒自治区』は、中国に呑み込まれてしまった日本が舞台。犯人護送中の車両が何者かに襲撃される。背後に渦巻く人々の思惑と運命は......。ディストピアの日本を舞台とした冒険アクションだ。
 亀野氏は1973年3月、兵庫県西宮市生まれ。ニューヨークで映画助監督などを務め、帰国後は制作会社などを経て、広告映像制作会社を設立、同社取締役。

写真は、文庫グランプリに選ばれた亀野仁さん(写真提供:宝島社)

 もう一つの平居紀一氏『甘美なる作戦(仮題)』は、誘拐ミステリー。ヤクザ稼業はトラブル稼業。組員未満の二人に、無理難題が押し寄せる。宗教団体の利権を狙った犯行の結末は......? 平居氏は1982年8月、東京都生まれ、岐阜県在住。岐阜大学医学部卒業。現在も医師として勤務。

 『暗黒自治区』は、2021年3月、『甘美なる作戦(仮題)』は同年4月の刊行予定。


※写真提供:宝島社
BOOKウォッチ編集部


     

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