『メモの変態が手帳をスマホに変えた理由』(堀越吉太郎 著、小学館集英社プロダクション)が10月22日に発売される。
スマホを使ったメモのとり方、保存、管理、運用、アイデア出しからビジネス現場での活用方法までを紹介した本書。
著者である堀越吉太郎さんに、おすすめのスマホメモの使い方を聞いた。なお、取材場所は堀越さんが店長を務める、選書する書店「フォルケ」。本に囲まれた中でのインタビューとなった。
本書が抽選で5名様にプレゼントされます。詳しくは記事の末尾を参照ください。
-- 本のタイトルが衝撃的ですね。堀越さんは「変態」なのでしょうか?
堀越 多くの人の目に留まって欲しくて「変態」と名乗ることにしました(笑)。
ここでいう「変態」とは、一つはマニアック(熱狂的)であるということ、そして、もう一つはTransformation(トランスフォーメーション・変革)つまり新しいものを「提案する」、そして、「起こす」という意味をいっています。
本書では、熱狂的なメモ魔が、新しいデジタル(スマホ)によるメモ術の提案をするという意味で「変態」といっています。
-- 「メモの変態」ということは、メモをとることに対してマニアック?
堀越 そうですね。作家を目指していたのでたくさんの本を読んだり、気になった新聞をスクラップにして分類、保管したりして、知として蓄えてきました。
フランクリン・プランナーシステム手帳や100円ノートなど、あらゆる紙メモを実践しましたね。
-- そんな堀越さんが、この本を書こうと思った理由は。
堀越 私自身が「紙メモ」から「スマメモ(スマホへメモすること:以下 スマメモ)」へ変えたことで大きなメリットがあったからです。
これを「モバイルネイティブ世代」である20〜30代前半に知ってもらい、仕事に活用して欲しいと思いました。
-- 「スマメモ」のメリットは、具体的にどんなところでしょうか。
堀越 まず、ノートを準備しなくてよいところ。あとは、分類の必要がないところも続けやすいポイントですね。
以前は、集めた情報を分類するのに1日平均2〜3時間かかっていました。それが「スマメモ」へ変えたことで分類は不要、検索により一瞬で発見できるようになりました。
-- 私(女性記者)は普段メモすることはありますが、そのまま終わることが多いです。具体的に、どうしたら活用できるでしょうか?
堀越 あまり難しく考えず、できるところからやってみましょう。
例えば毎週の会議で決まったことを議事録としてシェアするために「スマメモ」を活用するといいと思います。
-- 議事録をとる作業は面倒なので、避けていることが多いですね...(汗)
堀越 あえて率先してやるといいと思います。
重要なのは、会議で決まった「To do(やるべきこと)」を必ず書いておくこと。そうすることで自分が今、なにをすべきなのかが浮かび上がってきます。
-- 見聞きしたことを書いて忘れないようにするだけでなく、自分の内側を整理するツールとしても使えるのですね。
堀越 はい。「知行合一」という言葉があるように、アウトプットまでしてこそ初めて意味があります。
まずは会議で決まったことに対して、自分がどう動くのかを明確にした上でチームへシェアすること。それにより「しっかりした人」というイメージもつきますし、自己マネジメント力も上がります。
-- 女性は小さいものから大きいものまで、さまざまな仕事を頼まれがちですが、逆にそれを利用できそうですね。
堀越 いつの間にか会議全体を仕切る役目になっている・・・なんてこともあるかもしれません。LINEやチャットワークなど、普段自分が使い慣れているツールで構わないので、まずはやってみることから始めたらいいと思います。
堀越 メモの具体的な書き方は、キーワードを中心に、箇条書きがおすすめです。
項目ごとに番号を振るとさらにわかりやすくなります。そして最後に会議をまとめるときに以下のように発表します。
今日の会議の項目は全部で7つありました。1つ目は...というような感じで発表すると、いかにもできる人だと思いませんか?
そして、スマホに集めたメモは、残り続け、すぐに取り出せます。つまりあなたの知的な財産になるのです。
-- 職業柄、人と会うことが多いのですが、顔や名前を忘れてしまうのも悩みです。
よく紙にメモしますが、あとで探すのが大変で・・・。結局、意味をなしていないような気がします。
堀越 相手と別れた後、帰り道の電車の中でもいいので、その日話したことを「スマメモ」してみてください。例えば、こんな感じですかね。
2020年9月15日 BOOKウォッチ インタビュー 堀越吉太郎さん・メモの変態 1・本のタイトルについて・多くの人の目に留まって欲しくて「変態」と名乗ることに 2・本のターゲット・「モバイルネイティブ世代」である20〜30代前半 3・「スマメモ」のメリット・情報収集、保存、検索が一元化できること |
-- 今日話したことが簡潔にまとめられていますね。
堀越 さらに、印象に残ったワードは入れるようにしてください。
「インタビュー」のような統一性のあるものを入れてフォーマット化しておくことで、直近に実施したインタビューを振り返りたいときなどにも役立ちますね。
-- 取引先の相手と「好きな映画」の話をしたときは、それをメモしておくだけでも、次に会うときの話のフックにできそうですね。
堀越 人は自分のことを覚えてくれていると嬉しいものです。
メモして活用すればするほど、相手の心を開く鍵にもなりますね。
-- 雑談力が上がることで営業力も上がる、ということですね。
堀越 そのとおりです。一度自分でメモしたことは検索一発で出てくるので、自分の財産にもなります。
なお、いろいろな理由からスマホが使えないときもまだまだあると思います。そういうときは、紙とペンでメモをして、後ほどスマホで写真を撮って、iPhoneのメモやGoogle Keepなどに貼ってデータ化しておきましょう。
-- 「スマメモ」に興味を持った人へ向けて、メッセージをお願いします。
堀越 最後にメモをすること自体のメリットをお伝えしたいです。メモのメリットは3つあります。
1つ目は、忘れないため。
2つ目は、アイデアの源泉になるため。
(古今東西の偉人たちがメモを元にアイデアを生み出して来ました)
3つ目は、頭の中が整理できるため。
このようなメリットを生かそうと思っても、今までのメモ術は、いざ続けようとすると難しいものが多かったのですが、「スマメモ」は誰でも簡単に続けられます。
会議や日常会話はもちろん、気になることや課題をどんどんメモして貯めることで財産にしつつ、自分自身を整理してみてはいかがでしょうか。
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堀越吉太郎(ほりこし きちたろう)
1973年東京生まれ。経営コンサルタント、「選書する書店フォルケ」店長。「人と人が出会い、人と本が出会い、人が成長するための優れたコンテンツの提供」をコンセプトとした自分が好きな古典文学とビジネス書しか置かないブックサロンを東京・五反田にて運営。独自の速読術で、単行本を1冊20分で読破、年間300冊以上の書籍を読む生活を15年以上続けている。主な著書に「ガーバー流社長が会社にいなくても回る仕組み経営」(KADOKAWA、中経出版)や「起業したい人への16の質問」(秀和システム)などがある。
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