「朝・昼・晩の食事は、1日3回分の筋トレだ!」。骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名で知られる日本体育大学准教授の岡田隆さんが、カラダを変えるための食事術をまとめたのが、本書『無敵の筋トレ食』(ポプラ社)である。
岡田さんは研究者のかたわら、理学療法士、スポーツトレーナー、ボディビルダーとしても活動。日本オリンピック委員会強化スタッフ(柔道)もつとめている。
自身もウエイトトレーニングを実践、2016年に日本社会人ボディビル選手権大会を制した。『除脂肪メソッド ハンディ版』(ベースボール・マガジン社)、『2週間で腹を割る! 4分鬼筋トレ』(アチーブメント出版)など、著書は累計100万部を突破している。
1日3回、1週間で21回の食事数を筋トレ数が上回ることは、まず無理だとして、こう述べている。
「トレーニングをして筋肉に刺激を与えるよりも、食事内容を調整して体脂肪をコントロールするほうが、カラダに与える『インパクト』は大きい」
本書の構成は以下の通り。
序章 知識もある。トレーニングもしている。しかし、なぜ肉体改造に失敗するのか 1章 無敵の筋トレは食事に始まり食事に終わる 2章 食べて絞る! 栄養で筋肉を仕上げる食事改革 3章 筋肉を「盛る」、脂肪を「削る」ベスト食材 4章 超実践的! 無敵の筋トレ食 5章 それでもカラダが変わらない人へ 6章 食事で変わる筋トレと人生の質
岡田さんの筋トレ食の基本は、三大栄養素であるタンパク質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の「PFCバランス」を取るということ。「P4:F2:C4」という割合だが、実践しやすくするために、グラム数を中心として3つのルールを定めている。1食当たりの目安はこうなる。
第1のルール タンパク質摂取 P=20グラム以上をキープ 第2のルール 脂質摂取 F=10グラム、多くて20グラム 第3のルール 炭水化物摂取 C=摂取カロリーの55~65%が目安
いよいよ第3章から具体的な食材にふれている。食材1が「スーパー大麦」だ。糖質を抑え、高い食物繊維を実現させた、奇跡の穀物・炭水化物だという。岡田さんは、自分史上、最高の除脂肪を実現したそうだ。
食材2はサラダチキンだ。1パックにつき、タンパク質は20~30グラム、脂質と炭水化物はほぼゼロ。「いまやコンビニは除脂肪食の訓練所」だと言い、コンビニでオリジナルの献立をつくることを勧めている。商品の裏面の食品表示を確認すると、自然と「PFCバランス」の考え方も身につくからだ。
以下、そば+α、サバ缶・ツナ缶、鶏むね肉、鶏ささみ肉、もやし、ブロッコリー、パプリカ、グレープフルーツ、団子、サツマイモなどを挙げている。
プロテインなどのサプリは栄養補給の補助として、最後に紹介している。
第4章で、2014年からボディビルに挑戦してからの食事メニューも挙げている。意外だったのは、やよい軒や大戸屋などで外食していることだ。ホッケやサバなどの焼き魚定食を勧めている。ごはんは白米ではなく、雑穀米に変えて普通盛りを食べている。
タンパク資源として肉・魚にふれ、炭水化物として米とスーパー大麦にふれ、減量を無理なく進めるためのエンタメ食として野菜や果物にふれているが、卵、大豆、乳製品にはふれていない。それはボディメイクの観点からはふれることが「できない」からだという。卵をメインにすると、黄身に多く含まれる脂質の摂取が過多になる。大豆、乳製品も同様だという。
通読して思ったのは、本書はボディメイクをする人だけの本ではないということだ。ダイエットをしようという人、よく眠れないという人、集中力が足りない人など、さまざまな人の参考になると思った。岡田さんは「食事が整うと心と腸が、自然に整う」と書いている。
巻末のカラーページには、鍛え上げられた岡田さんの全身写真に続き、岡田さんの基本メニューがいくつも載っている。鶏むね肉セットやごはんにスーパー大麦をまぜ、ツナ缶やサバ缶と一緒に炊き上げたおにぎり、コンビニの商品などが取り上げられている。レシピもついているので、簡単につくれるだろう。
筋トレ食と聞いて、禁欲的なものをイメージしていたが、そうではなかった。3つの栄養素を管理しながら、手軽で長続きする食事法を伝授している。
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