読むべき本、見逃していない?

スラスラ書ける「3つの型」を教える文章講座

  • 書名 世界一ラクにスラスラ書ける文章講座
  • 監修・編集・著者名山口 拓朗 著
  • 出版社名株式会社かんき出版
  • 出版年月日2019年12月16日
  • 定価本体1400円+税
  • 判型・ページ数四六判・224ページ
  • ISBN9784761274597

 「文章力」と「語学力」は似ていると言えるかもしれない。「語学力」とひと言で言っても、中には語彙・文法・読解・リスニング・会話などいくつもの要素があるように、「文章力」にも語彙・文体・構成・読者を引き込む内容などいくつもの要素がある。

 だから漠然と「文章が上手くなりたい」と思っている人は、語彙力をつけたい・綺麗な文体で書きたい・構成力をつけたい・読者を引き込む内容を書きたいなど、いま自分がどの要素をいちばん身につけたいのかを見極めた方がいいかもしれない。

 山口拓朗さんの本書『世界一ラクにスラスラ書ける文章講座』(かんき出版)は「才能もセンスもいらないスラスラ書ける方法」として、「3つのテンプレート(型)」を紹介している。

 タイトルに「文章講座」がつく本は多く、自分が身につけたい要素とちがう要素を論じている本を手にしてしまうことがある。本書の場合、文章の構成力(型)を身につけたい人にピッタリであると、最初に伝えておこう。

文章がうまい人は「型」を使っている

 著者の山口拓朗さんは、出版社で雑誌記者・編集者を務めたのち独立。独立当初、編集者から「もっと平易で明快な文章でないと、読者に伝わりません」と一喝され、ショックを受けたという。以来、文章を書くうえでのマインドと技法を徹底的に研究し、独自の文章メソッドを確立した。24年間で3300件以上の取材・執筆歴を誇る。現在は執筆活動に加え、講演・研修活動もしている。

 「文章を書くのに時間がかかる」「書きたいことはあるのに、文章にまとめることができない」「文章を書くのが苦痛で仕方ない」......。あなたは文章を書くことについて、どんな悩みを抱えているだろうか。

 「文章」とひと言で言っても、企画書、報告書、メール、エントリーシート、セールス文、LINE、Facebook、メルマガなど、職業や立場によってさまざま。しかし、本書の「3つのテンプレート(型)」は適用範囲が広く、仕事からプライベートまであらゆる文章作成に使えるという。

 「世の中で『文章がうまい』といわれている人たちは、意識する・しないにかかわらず、お気に入りのテンプレートを使って書いています。......本書で紹介する3つのテンプレートをマスターすれば、少なくとも、『どう書けばいいかわからない』という状態からは抜け出すことができるのです」

 評者は書くのに時間がかかってしまうのだが、書きたいことが浮かんできたときに、それらをどう盛り込むか、どう構成するか......その構成を考えるところで特に時間がかかっていることに最近気づいた。そこで「型」を身につけることでスラスラ書けるようになる、という本書の謳い文句に興味を持った。

覚えるテンプレートは3つ

 本書は「第1章 テンプレートは、文章を書くときの救世主」「第2章 『列挙型』でストレスフリーな道案内をしよう」「第3章 『結論優先型』で納得してもらおう」「第4章 『ストーリー型』で共感を生み出そう」「第5章 テンプレートミックスで長文を書こう」からなる。

 第2~4章で「3つのテンプレート(型)」をそれぞれ4つの例文を載せて詳しく解説している。ここでは「3つのテンプレート(型)」のポイントを紹介しよう。

1 ストレスフリーで読める「列挙型」
 複数の情報を整理して伝えるときに便利。伝えたいことがたくさんあるときも、相手を混乱させずに伝えることができる。
「A全体像 → B列挙ポイント1 → C列挙ポイント2 → D列挙ポイント3 → Eまとめ」
2 ぐんぐん納得度が高まる「結論優先型」
 読み手の納得度をぐっと高めることができる。何かをアピールしたいとき、報告・連絡したいとき、あるいは反対したいときなどに役立つ。
「A結論 → B理由・根拠 → C具体例・詳細 → Dまとめ」
3 共感が生まれる「ストーリー型」
 エピソード形式で読み手の共感を誘う。理屈ではない熱い思いや感動が伝わり、読み手の記憶に強く残る。
「Aマイナス → B転機 → C進化・成長 → D明るい未来」

 「文章を書く目的」や「読む人にしてほしい反応」を考えながら、その都度最適なテンプレートを選んで書くことだという。

すべての文章は「1行ライティング」から

 もちろん、型通りの当たり障りのない文章ではなく、書き手の人柄や個性がにじみ出る文章に魅力を感じる。本書が推奨するテンプレートありきの文章作成方法では「書き手の個性が消えてしまうのでは?」とも思える。それに対し、山口さんは「テンプレートを使うことで消えてしまう個性など、そもそも個性とはいえません」とキッパリ。

 「テンプレートは、文章の流れを決めるガイドラインにすぎません。テンプレートを使いながらも、盛り込む内容や言葉の選び方、表現、文体などを工夫することによって、おのずと書き手の個性は香り立ちます」

 では最後に、実際に「テンプレート(型)」を使って文章を書くとき、最初にやるべき「1行ライティング」について触れておこう。

 文章は、究極的には1行程度(40~50字以内)で要約することが可能という。もし1行で表現できないとしたら、その文章は悪文・駄文になってしまう恐れがあり、伝えたい事柄の「柱」を把握できていない状態にある。「1行で伝わらないものは、10行でも100行でも伝わらない」という。

 本書の「テンプレート(型)」は、4~5つのパート(A~DまたはA~E)に分かれている。まず、各パートを1行で表現することから始める。満足のいく1行ライティングが書けたら、その「柱」をガイドラインにして文章をふくらませていく。

 「1行ライティングから文章をふくらませていく作業は、すなわち、『柱』となる情報(=抽象度が高め)を具体化していく作業と心得ておきましょう」

 各章の最終ページにある「文章を書く前の『確認シート』」や「『○○型』テンプレートで1行ライティングしてみよう」は、実際に書き込めるようになっている。

 本書を読み、文章を書くことについて、まっさらな台に材料を1つずつ並べていくのではなく、「型」に材料を注ぎ込んでいくイメージを持った。「型」を身につけることは「文章力」を高める1つの方法として役立ちそうだ。

オンライン書店で詳しく見る(購入もできます)

デイリーBOOKウォッチの一覧

一覧をみる

アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

当サイトご覧の皆様!

おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!

出版社の皆様!

御社の書籍も、
BOOKウォッチに
掲載してみませんか?