俺は、間違いなく殺された。それなのに、砂浜で目が覚めた。ここはどこだ――?
"全員もう死んでる系ミステリー"が斬新! と話題を呼んでいる、五条紀夫さんのデビュー作、『クローズドサスペンスヘブン』(新潮社)。2023年3月29日の発売直後から品切れ店が続出し、異例の即重版が決定した。
〈俺〉は、何者かに首を切られて死んだ......そして、見知らぬ砂浜で目を覚ました。傷口は塞がっている。殺されたことは覚えているけれど、誰に何をされたのかまったくわからない。そもそも、自分が誰なのかも忘れている。
海辺の林の道を進むと、一軒の西洋館にたどり着いた。そこには〈俺〉のほかにも人の姿が。館に毎朝届く不思議な新聞によると、現世で惨殺された6人が、記憶をなくした状態でこの〈天国屋敷〉に返り咲いたらしい。
自分は何者で、誰に、なぜ殺されたのか? "全員もう死んでる"ところから始まる、異色のミステリー。
〈道尾秀介さんコメント〉
全員既に死んでいる「あきらめ」が通奏低音という、新しい読み心地がもたらす独特な哀しみとおかしみ。この上なく美しいラストシーンが秀逸。
〈湊かなえさんコメント〉
夢中になって読みました。全体を通じて破綻した箇所が見当たらない、完成度の高い作品だと思いました。
■五条紀夫さんプロフィール
ごじょう・のりお/小説家。2022年、『クローズドサスペンスヘブン』で新潮ミステリー大賞最終候補。
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